スウェーデンの映画です。監督はハンネス・ホルム。忘年会が終わってちょうど観られるやつだったので。
『幸せなひとりぼっち』、というタイトルがいけてるのか悪いのか分からないけど、原題直訳はオリヴァーという男(En man som heter Ove)、というおじさんの話。

ずっと一人を想い続けなくてもいいとは思うけど、代わりの効かない存在ってあるなというのと、不器用だけどやさしいまっすぐな人のよさがありました。 (不機嫌で意地悪な人もいますのでね)
先日観たSt.vincentに少し似ています。不機嫌で鼻つまみものが、実はやさしくて、妻をこよなく愛していて、周囲の人や子どもと交流することで温かさが伝わり受け入れられていくところと、長毛の猫が出てくるところ。
St.vincentは白いペルシャかな(あの顔立ちはチンチラじゃなくてペルシャだと思う)、オーヴェの方は、ラグドールのバイカラーっぽい。目が青かったと思うから。違ったらごめんなさい。とにかく、猫には好かれる、つまり猫にやさしい人、なんですよね。
不機嫌な理由はまた違うのですけれど。何かを失うというのは人を不機嫌にさせるんだと思います。どこかの記事にオーヴェは妻との時間が幸せだったからその思い出で生きていけるみたいなロマンチックなことが書いてましたが、幸せなひとりぼっちなんてないと思います。幸せなひとりはあっても。
だからオーヴェは何度も死のうとするのだから。vincentだって自暴自棄で。
失っても幸せでいられるのは、生きている人たちとの交流や友情があるから。これは他人事ではなくて、誰と結婚しても子どもがいても、相手や子どもが病気や事故に遭うことも亡くなることも可能性はあるんですよね。だから結婚したからとか子どもがいるから、ずっと安心な人はたまたまなだけなんです。生死については仕事の関係でそういう別れはたくさん見ているからより思います。
こういうのはある種運命で、失わないでいる人はそれを当たり前のように思うものだし、失うことが人より多い人もいて、オーヴェに関しては後者に思えます。
そして事故のシーンではかつて身近だった人のことを思い出しました。このシーン見るのはつらいだろうなと。
こういうお話が成り立つのは、一見ぶっきらぼうでも心があたたかく、行動に愛がある人だから。そうじゃないと、子ども近づけたりできませんものね。人の行動って大切だなと思います。
泣かせよう泣かせようという描き方ではないんですが、私ずっと泣きながら観てました。この映画の妻役のソーニャがきらきら笑顔の素敵な女性で、こんな女性いるのかと思うくらい。私が男性でも妻にしたい優しくて明るいきれいな人でした。そういう女性だからオーヴェの実直な人柄に惹かれたんだなと。出会った頃の気持ちが長く続く夫婦もそんなにはいないのでしょうけど、いたら素敵なんでしょうね。
ヒューマンドラマであり、ラブストーリーでした。