交通事故被害者のための後遺障害診断書の書き方の解説

交通事故被害者のための後遺障害診断書の書き方の解説

大阪の弁護士が交通事故の後遺障害、逸失利益、慰謝料について解説したブログです。
症状別に自賠責保険でどのような後遺障害が認定される見込みとなるのかを解説します。
また、脊髄損傷や高次脳機能障害の方向けに、介護保険等の情報提供もしていきたいと思います。

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アキレス腱は、ふくらはぎの筋肉とかかとの骨をつないでいる強靭な腱です。足首の関節を足底側に曲げる働きをしています。

アキレス腱が断裂しても、不全断裂の場合(部分的にちぎれているだけで、一部がつながっている状態)や足底筋等の他の筋肉の働きで、足関節をまったく曲げることができない事態にはなりません。そのため、見逃されることもあります。
 しかし、アキレス腱が断裂した場合、かかとの部分を指で触ると凹んでいるのがわかるので判断がつきます。

 

 

● 原因

交通事故では、歩行中に事故に遭う場合で、車やバイクを避けようと急に走ったりした時にアキレス腱が断裂するケースと、衝突等でアキレス腱の部分に直接外力が加わってアキレス腱が断裂するケースがありえます。

 

● 主な症状

断裂した部分に痛みがあります。完全に断裂した場合は、歩行することもできません。不全断裂の場合は、痛みはありますが歩くことができます。

わずかな断裂が生じた程度の場合、自覚症状もあまりなく見過ごされることも多いです。

しかし、後に強い力が加わると、小さな断裂が引き金となって完全断裂が生じることがあります。

事故後にアキレス腱部分に違和感やかすかな痛みなどを感じることがあれば、念のために検査をした方が良いと思います。有効な検査方法としては、超音波検査があります。

 

● 一般的な治療法

 手術する場合は、手術後約8週間ギプスで固定し、その後4週間程装具で足関節を固定しつつ、可動域のリハビリも開始します。
 その後徐々に負荷をかけていき、受傷後約6か月で治癒とされます。手術をしない保存治療の場合は、手術をしないだけで治療期間、内容はほとんど同じです。手術の場合と異なるのは治癒後のアキレス腱の強さで、手術した場合に比べると8割ほどの強度になります。スポーツ選手等でない一般の人の場合は保存治療で十分とされています。

 

● 後遺障害等級

筋力低下くらいで、基本的には完治し、後遺障害は残りません。

ただ、アキレス腱断裂部分に痛みが残った場合は、14級9号の後遺障害が認定される可能性はあります。

 

● 等級認定のポイント 

・「症状固定日」「自覚症状」の欄に、記載漏れがないよう注意しましょう。たとえば、自覚症状欄にない痛みについては、後遺障害は認められません。