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「カオソーイ・ガイ」


「コップン・カップ」




ランチ時で忙しく10分以上かかったが、ここはとにかく客層も違うな。

屋台じゃあんまり見かけない上品な観光客が多いっつーか、オレの隣にはロマンスグレーの老夫婦が仲良くアイスティーを飲んでたりさ。

何かこう……何なんだろな?この場違い感は笑









カオソーイ・ガイ(鶏肉入りカオソーイ・50バーツ)。果たしてそのお味や如何に?






(へぇー、結構量多いな。んで、鶏肉が骨付きじゃないのは初めてやわ。どれどれ……ズズズ………(;゚д゚))



熱々でお願いした割にはまだまだだったが、それでもこれまで食べた激ヌルスープに比べりゃ上出来だ。つか何なんだコレ!?めちゃめちゃ美味いやん!





(ちょっとマックさん!まあまあ美味しいどころの話じゃねーぞコレ!?これに比べたらカオソーイ・メーサイ←超有名店なんかただの◯スやん!ナニこの上品なスープ!?)




マジで驚いた。
チェンマイに滞在している時には一日一食、必ず食べていたカオソーイ。
今日はココ、明日はアソコと毎日違う店で食べてはいたのたが、初めて食べた無名店の美味さを超えられるモノにはずっと当たらなかった。
ここ数年は『もうカオソーイはいいや…』と思いかけてたし、そもそも最初からあんまり美味くない料理なのかも?とも思う様にもなっていた。





(マジかぁ……そういやオレ、もう10年以上も旧市街には泊まってなかったもんなぁ……見つからんはずやわ…)




何度も来ているうち旧市街に飽きていたってのがその理由だが、よく考えたらニマンヘミンなんかより静かなエリアはいくらでもあるもんな。
特にこの南西部には初めて泊まったが、喧しい北東部とは別世界だ。広いな、旧市街も。








モチモチと噛み応えのある麺もいい感じ。
ダメな店は最初からボソッと伸びているところが多い。






(こりゃ次来た時もカオソーイ食うならココやな。つか、こんだけ上手に作るなら、他のも結構イケてるんとちゃうかなー?)



ここはカオソーイの専門店ではないが、専門店ほどガッカリさせられて来たオレとしてはどうでもいい事だ。あ~あ、もっと早くここら辺に泊まっとけばな~。明日はもう最終日やないか……








カオソーイのメニュー一覧。
他にもカオパット(炒飯)やパッタイ(焼そば)等の定番メニューがある。








「あ、マックさん!食べて来ましたよ、カオソーイ」


ゲストハウスの前で工事に立ち合っていたマックさん。
部屋によってWIFIの強さが不安定らしく、この日は追加の取り付け工事を行っている様だ。




「アー、ドウデシター?」

「今まで食ったカオソーイの中で一番でしたわ」

「マタマタ~、ドウセ御世辞デショー?」

「いや本当に。繁盛する理由が分かるわ、店の中もピカピカですしね」

「アー、他所ノ店ハ汚イ所ガ多イデショー?ダカラ行キタクナイデス」

「このゲストハウスもピカピカやもんなー。つか、ココって元はアパートか何かですか?」

「ソウデス、アパートヲ私ガ買イマシタ。ダカラ借金ダラケネ、アハハハハッ♪」

「借金出来るだけ信用があるって事ですよ。因みにココ、幾らで買ったんですか?」

「オールドシティハ高イデスヨ~。リフォームシテ、全部デ6000万円クライ。返スノ大変ヨー💦 ダカラ私、今度ハ日本ノラーメンノ店ヲヤロウト思ッテマス。日本ノラーメン、タイ人ノ若イ人達モ大好キ。値段モチョット高メデ大丈夫」

「ラーメン?でも、多分日本人は食べませんよ」

「大丈夫、日本人相手ハ考エテナイシ、ファラン(欧米人)モラーメン大好キダカラ。スープハ日本カラノ業務用ダケドネ、美味シイデスヨ~♪アハハハハッ!」



玉の様な汗をかきながら笑うマックさんを見てると、何だか知らんが胸の奥からキュルキュルした物が沸き上がって来た。
それが何なのかは自分でもよく分からないのだが、何つーかこう……とにかくオレも早く帰って仕事したくなって来たわ、何でやろ??





(エエなぁ……うん、オレも何かやる気出てきたわ。帰ったらまた頑張らねば!)





昔から、『タイ人の男は働かないからダメ。タイは女がよく働く国だ』てな事はよく聞いていた。
勿論そういう一面もあるだろうが、だからといって決めつけるのは間違いだ。
少なくとも、初日に泊まった宿のオーナーは【貧乏暇ナシ】くらいの勢いでバタバタしてたし、それはココにしたってそうである。






つか、その姿が格好良く見えるんだわ。







オレも格好良く生きたい。















翌日食ったパッタイも美味かったわ。
カオサン辺りの屋台で食って満足してるガキには解るまい。