翌朝5時(←早いって)。
早朝の水シャワーは流石にキツいが、シャキッと目を覚ますにはこれが一番だ。
が、慣れてない人がやると体に悪いからね。真似しない様に(←そんなヤツいない)。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220801/14/sakutaro0516/99/f5/j/o0540108015154626520.jpg?caw=800)
コーヒーを飲みながらベランダで一服。
オススメの部類に入る宿でした。
出発は6時過ぎ。
一階のカフェには昨日見なかった旦那さんがいて軽く挨拶。めちゃめちゃ爽やかなアニキという感じで好感が持てた。
「あの、メガネ忘れてませんでしたか?」
そうなのだ。
荷造りしている時に見つからなかったので、てっきりリアボックスに入れっぱなしだったのかと思ってた。
「あっ!はい、それ私のです!どこに忘れてました?」
「シャワー室にありましたよ。あ~良かったですね~♪」
念入りにチェックしても、この癖だけは治らない。
因みに、今回の旅では風呂用のナイロンタオルを忘れて来た。歳だねぇ……
「ありがとうございました」
バイクに荷物を積み直している時に奥さん登場。
やっぱ人見知りなんだな、この人。愛想が悪い訳じゃない。
「あ、どうもお世話になりました。凄く良かったですよ、また涼しくなったら利用させていただきます」
「えっ!?……すみません!どうもありがとうございます!またお待ちしております!」
ベナン出身のインチキ皇太子みたいな口調で礼を言ったのだが、それに焦った感じで照れる所が可愛らしい。
あの旦那にしてこの嫁ありだな。羨ましい限りだ。
もうすぐ新米の季節だな、そういえば。
(あ~あ、宿は良かったけど、結局誰とも顔合わせんかったな~)
コミュ障克服の予定が、その宿で唯一顔を合わせた奥さんがコミュ障じゃ話にならんな。
つか、一晩貸切りかと思ってたけど19時くらいには満室になってた様だ。
ここらじゃ最安値だしな、エアコンも無料だし(←しつこい)。
オレもいつかそういう時が来るんだろうが、そこでまた出会いがあったらいいなぁ……
すぐ永遠の別れになりそうだが。
そっちは入れませんよ……
「………んっ?」
国道だか県道だかよく分からん道を逸れ、山の斜面に建ち並ぶ民家の前を走っていた時だった。
運が良ければ越えられると思って入り込んだのだが、どの路地に入っても結局は下りになってしまう。
それでも何とか行けるんじゃないかと更に狭い道を上ろうとしたその時、心の隙間に忍び込んで来るような、目の前の墓地から湧いて来るような老婆の声が聞こえた気がした。
何だこれ?誰かここら辺の人が岩崎宏美の万華鏡でも聴いてんのか?
「そっちは人の家の庭に出ますよ……」
( ゚д゚)ハッ!
声のする方に視線を向けると、炊事場らしき窓の奥から顔半分の婆さんがこっちを見ていた。
「あっ…すみません!道を間違えたみたいです」
「…………どちらさん?」
「あっ…いやっ、ただの薬売りです。失礼しましたっ💦」
「…………△×□さん?」←聞き取れない
「あのっ、まっ、またお伺いします!失礼します!」
……怖あああああっ((( ;゚Д゚)))
それにしても田舎ってSECOM要らんな。
お化けや幽霊が死ぬほど苦手なオレにとって、サッシの隙間から見える婆さんの半顔は拷問レベルの恐ろしさだ。
つーか、熊野古道の入口があるナントカ町で聞いた声と全く一緒やないか? アンタもしかしたら、ずっとオレの後ろに乗ってたんとちゃうやろな!?悪霊退散っ!!
(おいマジで止めろってそういうのっ!!しかもいつの間にか野良猫だらけやないかいっ、八つ墓村かココはっ!!)
克服するのはソッチじゃないって。
とっとと三重に行っちゃおう。
誰か山の斜面に住む妖怪の話を知っていますか?おじさんは少しお漏らししてしまいました。