前回の話はコチラ↑
「あら～、やっぱり貸切りやったか♪あざーす！」
貸切りにも色々あるが、温泉施設で貸切りってのは異常にテンション上がるよな。
毎日の銭湯でも深夜なら時々あるが、思わずニヤニヤしてしまうくらい嬉しい。
こうやって写真が撮れるのも貸切りだから。
アメニティやシャンプーなんかは一切無いが、その他はスパ銭とほぼ同じ。
「ふあああああ～～っ……ヌルヌル系のエエお湯やぁ……」
銭湯でも水風呂しか入らなくなったオレにとって、久しぶりの温泉は流石に沁みるものがある。
何だかんだ言っても出発して６時間は走ってた訳だ。これまでの旅に比べりゃ屁みたいな移動距離だが、それでも程好く疲れた身体に熱めのお湯が心地好い。
まあ、気温が気温だけに水シャワーだけでも構わないんだけどね。せっかくの温泉だし、ここは気休めでも五十肩に効いてくれると有難い。
のんびりさせてもらおう。
野趣溢れない露天風呂も勿論貸切り。
混浴だったら尚最高……と言えたのは昔の話。
(さて、あんまり遅くなると宿の人に迷惑かけるし、そろそろ上がるかね～♪)
本日の宿は、ここから20分ほど走った場所にある人生二度目のライダーハウス。
兵庫のド田舎にある某ライハでは散々な目に遭ったし不安ではあるが、今回の旅はそういうのも含めたコミュ障リハビリツーリングだ。
そんな感じでポジティブに、且つ自ら謙虚に構えていれば良い方向へと事は進むはず。
もしかしたら、萬田久子を30歳若返らせた様な三つ子姉妹と同宿になるかもしれないし。
(となると余計にデオドラントは気を付けないといけねーな。となるとやっぱ、アンダーにもトリートメント多めで…)
男というイキモノは、幾つになっても無駄な妄想に踊らされるものだ。いや、女だってそうだろ？(←オマエだけだ)。
(よ～し、サッパリした♪さて上がろ！)
下の毛もフワフワしたところで脱衣場へ。
温泉効果でかなり暑いのだが、その分エアコンと扇風機のW冷風が堪らなく気持ちいい。
「え～っと……あ、ココか。着替え持ってくりゃ良かったなぁ」
ロッカーの鍵を開けた時に、下着の替えをリアボックスのバッグパックから出さなかった事を後悔する。
で…
「あ、しもた！タオルもあの中に入れっぱなしやん！」
誰でも経験がある事なんだろうが、普通は風呂セットの中に準備しておくものだ。
が、もし忘れたとしてもスパ銭なら貸タオルが付いているので困る事は無い。
しかしココはスパ銭ではなく、所謂普通の共同浴場である。しかも、銭湯で言うところの番台は１階のロビーで、そこに待機しているのは70代後半の婆さんではなく、会社の制服をキチンと着た還暦前後のW熟女なのだ。いやマジで困った。
「やってもうた…」
一応回りをチェックするも、やはりタオル代わりになりそうな物は無い。
東南アジアで腹を下し、この世で二番目に汚いとも思えるトイレに駆け込むも紙が無く、泣く泣く片方の靴下に【I LOVE YOU SAYONARA】した経験のあるチェッカージュンだが、この歳になって、しかも体全体を靴下で拭くには無理がありすぎる。
つか、どうせ五十肩が邪魔して半分だけしか拭けねーし。
(う～ん………あ、そっか！？)
夕方近いとはいえ、外はまだまだ昼間と変わらない陽射しである。
となれば、露天風呂の外でフリチン日光浴でもしてればある程度は乾くはず。
で、トドメに目の前のドライヤーで髪の毛から産毛から縮れっ毛まで乾かせばいいだけの話なのではないのか？
(そうやんか、そんな大した問題とちゃうやんか～♪そやけどマジで焦ったわ、ホンマに)
思った通りだった。
陽射しのキツい真夏だからこそ成せる技というか、素っ裸でスリラーダンスでも踊ってりゃ、あっという間に乾くのだ。
この勢いなら、ビリー・ジーンのサビを待たなくても上半身くらいはイケるだろう。
が、やっぱり何つーかこう……パンツ穿いてないとアホ丸出しなのは勿論なのだが、下半身がブラブラペチペチして鬱陶しいな。どんだけハーフサイズでも。
(よし、こんぐらい乾けば後はドライヤーでいけるやろ。我ながら賢かったな、ウハハハハハハハッ♪)
エアコンの効いた脱衣場へ戻り、壁の上部に付いた扇風機の前で全身ドライヤー作戦を決行するオレ。
ま、15分もあれば大丈夫だろ。
ブオオオオオ～～～～～ン
(はあぁ～…気持ちエエなぁ……つーか、タオルで拭くよりドライヤー乾燥の方が気持ちエエやんか、特に股間は。明日から毎日こうやって乾かすか……)
まるで初めてアレをアレされて『アレッ！？』と思った時の様なアレにアレレレレとなったアレなんだが、こんな所をもし受付の五月雨熟女に見られたら、それこそ『アーレー！！』って叫んで大変だろうな。
ま、こんなとこでそんな事は絶対にアレなんだが(←オレにも解らん)。
「失礼いたします」
Σ(ﾟДﾟ〃)！！
しかしアレだな……
スリラーダンス見られなかっただけでもヨシとしないとな……
冷房要らんくらい冷えたわ。来年の夏は薪ストーブ焚いといてくれ、頼む。