前回の話はコチラ↑






(やっべ、もう15時か?意外と時間かかったな…)




予定に無かった野迫川村に立ち寄ったせいか、当初の計画より二時間ほど遅れている事にハッとする。

個人的にはあまり好きじゃないルートだが、走り屋のバイカー達がこぞって行きたがる龍神スカイラインへと軌道修正。

あそこ、法定速度40kmの所を100km近いスピードでブッ飛ばすバカが多過ぎて嫌いなんだわ。

そりゃバイクの死亡事故も多発して当たり前なんだが、頼むから死後にかかる経費くらいは貯金しといてくれ。

オマエ達みたいに、『メットを脱げばただのカス』なブサイクの為に税金払ってると思うと情けなくなるんだわ。峠を攻める前に姿見の前に立て。そして自分を攻めろ。預金残高と共に。








龍神村の行政センターか何かだったっけ?
随分立派な建物だが、その裏で泣く農家の気持ちが気になった。







「あっ…あっぶなっ!!ふざけんなゴルァアアアアーーーーッ💢💢」








やっぱりというか何と言うか、路面には40とハッキリ書かれた登りの直線をマッハで追い越して行く事故死予備軍。

対向車線に大きくはみ出し、その先頭のメット・インサイド・ハゲに続いてブッ飛ばしているのはインサイドのび太だろう。


龍神スカイラインを走る時には必ず思うのだが、オマエ達はどうせその先の【道の駅・ごまさんスカイタワー】で馬鹿の1つ覚えの如く休憩し、そこのトイレでこまわり君みたいなドリル息子の皮を剥き、放尿後に振り飛び散った飛沫は、収入に不釣り合いな金額のライダースーツに黄染みとなって残るのだろう。

だからいつまでも女が出来ないのだ。バイクに借金するくらいなら整形しろ、頭から股間まで。









たまたま休憩した場所の向こうに教会が見えた。調べてみたら【聖ミカエル・カトリック龍神教会】だった様だが、青い屋根の教会ってあんまり見ないな。
主よ、あのアホどもを導きたまへ。







「ハイハ~イ、ご苦労さん♪」



今度は対向車線からの猛スピード&ヤエー(気になる人は調べてね)か。

今回は『広い心』というテーマをモットーにした旅だからちゃんと応えるが、その速さじゃオレがどんなハンドサインを返したか分からんだろうな。
人差し指と中指の間にタコ出来そうだわ、羊になってアホの相手してると。







この日の宿は風呂無し素泊まり。
なので、嗅覚過敏なオッサンは到着前にリフレッシュする事に。





(ん?……おー!珍しい事もあるもんやな。こんな事滅多にねーぞ♪)



その施設の入口に貼られた割引き告知を見て、何だか知らんがブラックモンブランが10本当たった気分になる安上がりなオレ。
それでも普段から裏目大王なオレにとっては嬉しい出来事なのだ。似たような事で満足する人もいるだろ?ネギ買いに行ったらハズレ無しのガラガラやってたりとか。







コロナのせいかどうかは謎だが、理由はどうあれ予期せぬ割引きは大歓迎。
アナタは150円浮いたら何を買う?






「いらっしゃいませ。こちらで受け付け致します」





思いもよらず丁寧な対応に一瞬固まるオレ。
こんなド田舎にあるスパ銭崩れの受付けなんか、その9割は表情一つ変えない踵の角質みたいな姉ちゃんと相場が決まっているのだが……





「ヘルメットもこちらに置いていただいて構いませんので。本日は500円頂戴致します」


「あ……ハイ、じゃあ丁度あります……」


「ありがとうございます。タオル・シャンプーなどは御持参いただいてますでしょうか?」


「はい、持って来てます」


「ありがとうございます。お風呂は二階にございますので、そちらのエレベーターか階段をご利用下さい」




見た目は普通に還暦を超えているであろう姐様なのだが、こんな【当たり前の言葉遣い】が出来るか出来ないかで見た目も違ってくるモンである。
その真後ろでニコニコしながら見ていた別の大奥も、『どうぞコチラです』と言いながらエレベーターまで案内してくれたりと、何だか知らないけど吉原炎上前の金貸しジジイみたいな気分になって来たな。
昼間食った生姜焼きに幻覚剤でも入ってたんか?もしかして。








「ごゆっくりどうぞ~♪」








二階から見た施設の内観。
どう見ても貸切りだったんだが……やっぱり普通じゃ終わらなかった。



呑気に写真なんか撮ってる場合じゃない事に気付くまで、残り20分。