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高野山での滞在時間は約10分。

公衆トイレで極楽を満喫した後は、『近畿で最もアクセスが困難な村』との誉れも高い野迫川村(のせがわむら)へと向かう。





(アクセスが困難かぁ…よっぽど酷い道なんやろうなぁ……)





すぐ着いた。







割と近代的な造りの小中学校。右上に見えるのは保育園。





一休何が困難なのかは謎だが、冬場は通行止めだらけになるからとか、もしかしたらそういう意味なんだろうか?
有栖川宮詐欺に遭った様な気分なんですけど、オレ。






唯一営業中だった食堂で生姜焼き定食を注文。
が、カナダ産豚特有の臭みが強すぎて撃沈。
添え物のフキの苦味で誤魔化しながら食べるも完食ならずでした。残してごめんなさい。





完食するのが最も困難な定食も災難だが、やはりこういう僻地における余所者ってのは目立つんだろうな(←オレの事)。
おそらくこの店も顔馴染みしか来ないんだろうが、それにしてもあからさまにジロジロ見るのはどうかと思うぞ?ガーナなのか、ここは。






ま、現地民からすれば熊より疫病だからしゃあないか。
一応無料の検査はして来たし安心してくれ。
右が0.8、左が0.5だった。





(ぬあああ~~っ!やっぱ怖ぇな、如何にも出そうやんか!)




奈良や和歌山では宝くじに当たる確率とも言われる熊との遭遇。
が、この辺りでは毎年の様に目撃情報が出ている上、最近では町中の通学路に出た写真まで撮られている。
2分の1の確率でさえハズレを引くオレにとって、その『宝くじに当たる確率』が悪い意味なら高確率で当たりを引く可能性は高い。
そういう男なのだ、オレは。






カーブの向こうに何があるのか?
山口美江のパワーストーンショップなら嬉しい。





ビッビッビーーッ!
ビーーーーッ!



普段は旧正月か親戚の割礼祝いでしか鳴らさないクラクションを、親の遺産リストから外されたパキスタン次男の如く鳴らし続けるオレ。
これだけ鳴らしときゃ熊だけじゃなく、鹿や狸にハクビシン、それにイタチやパンダや中尾ミエだって逃げて行くだろう。






「街の灯りが~、とてもキレイねヨコハマ~、たそがれ~、ホテルのおぉ~小部屋ぁ~♪」



安心したくても安心出来ないのは誰もすれ違わないからだ。
とりあえずドデカイ声出して歌っとけば月野和久馬くんも下校するだろう。






「カランカランカラ~ン、いい人ね♪カランカランカラ~ン、いい人よ♪」



おじゃまんが山田くんの歌なんか誰も知らないだろうが、こういうアホみたいな歌でも歌ってないとマジで怖いんだわ。鰯の目玉でも無理なのに。






やっと人里……と思ったら、ココが正に熊が出た場所じゃねーか。
人っ子一人歩いてないのはそういう事か?
ドジョッ子でもフナッ子でも鍵ッ子でもいいから誰か出てきてっ!





「…ぶっはあ~~っ!やっと広い道に出た~」




エエ歳こいたオッサンがと思うかもしれんが、誰だって苦手なモノの1つや2つあるはずだ。

オレが苦手なのはオバケ・虫・足の無い生き物・足の多すぎる生き物・甲高い声の女・汗臭いオッサン・ウンチクたれ・留学後一週間くらいアクセントのおかしいパッパラ女など様々だが、やはり熊となると散弾銃でも持ってない限りは絶対勝てない。



いや、塩田剛三ならもしかすると勝てる………んな訳ねーか。



とにかく無理だわ、熊だけは。












広い道に出てホッと一息。車どころかバイクさえすれ違わなかった。
チャリで走るなら賽銭箱の上にかかってるサイズの鈴をぶら下げた方がいい。
それが無理なら鈴虫千匹積んで走るとか。