翌朝5時。




旅に出るとボケ老人並に早起きする癖については既に話したが、疲労MAXだった昨夜は11時に寝落ちしてしまったのだから仕方がない。

いつからだろう?

6時間寝たらバチンと目が覚めてしまう様になってしまったのは…………。





(…………ぅゥ………フッ…フゥワア~~~アアア~~ぁ……………ん~っ…………よし、早めに出るか……)




オレが泊まった部屋はレストランスペースの中にある。
従って、まだ明けきれない真っ暗闇の中をコソコソ出て行かなきゃならないのだが、それでも寝坊してガチャガチャした朝食の物音で起こされるよりはマシだ。
ハナっからあんまり好みの宿じゃねーし、この際誰とも会わないうちにとっとと発っちまおう(←ヤギ沼さんには気付かれた)。






たまたま朝陽を撮った場所が名所だったらしい。
気になる人は【鄭成功】でググってみてね。




この記事を書いている今は4月だが、この時はまだ2月後半。

いくら九州とは言え、早朝5時半にバイクで走れば体感温度は氷点下。
事実、この日の朝の気温は2度だった………。

関東から北海道にかけてのエリアに住んでいる人からすれば、『九州=温暖』と思っている方が大多数だと思うが、ハッキリ言ってそれは沖縄だけの話である。
今回の旅で桜島が冠雪したのにはビビったが、福岡・長崎・佐賀・大分・熊本、この6県の真冬は、カマクラが造れるほど積雪する場所なんていくらでもあるのだ。




(ぬおおおおおおお~~~~~~~っっっ!!あああ朝焼けは、きききき綺麗やけどどど、さびびいいいいいいいい~~~~~~っ!!!!)





旅の途中にしまむらで見つけた新日のスウェットパンツ。これをライダースパンツの下に履くと楽でいい(←しまむらで500円)。




(え~~っ、と……確かここら辺に道の駅っぽいやつが………あ、アレか)




昨日、残念なトロピカル宿へ向かう途中にチェックしておいた産直センター。
腹も減ってたので弁当でもあればいいのだが、まだ6時を過ぎたばかりで、多分そんなものは期待出来ないだろう。




(平戸…新鮮市場……か、やっぱり開いてねーな。あ~あ、また朝メシ難民に逆戻りかよ~。しゃあない、コンビニでサンドイッチでも食うか……)



平戸大橋の手前にあるセブンイレブンでチーズバーガーとコーヒーを買い、ついでに万が一の事を考えて、便意対策の20分休憩をおっ始めるオレ。
朝は起きてすぐに行動すると、まずトイレ事情でエライ事になる。
出来れば寝起きは小一時間くらい余裕を持って1日をスタートしたいところだが、そこら辺がせっかちな性格が幾つになっても治らない。
だからレンチンの残り5秒が待てないし、沸騰直前にスパ麺放り込んだりするんだよな。





途中の道の駅で再びトイレ休憩。いっそのこと大腸が直線なら良かった。




よし、もう大丈夫と仕切り直しで出発した15分後、またもや襲ってくる下腹部のブラウンマグマ。
もう……オレって何でこんなややこしい体質なんだろ?大腸の所々にマイクロ蓋でも付いとるのか。小学生の頃みたいに一発一本でハッキリせいっ!(←酒呑みあるある)




(おっ、そういやカブトムシが乗っかった道の駅があったな。あそこでトイレ休憩しよ)




【昆虫の里・たびら】という道の駅に着いた。
看板にしがみついた巨大なカブトムシを見ながら飲むコーヒーは微妙だが、やっと明るくなってきた辺り一帯にはホッとする。
てか、今の田舎って本当に便利になったよな?
都会みたいに交差点毎にコンビニが無くても、それに近い道の駅があったりする。
しかも、何もない田舎を逆手に取って【昆虫の里】か………確かに子供は喜ぶだろうな。
オレみたいな歳になったら、出来るだけ虫には全滅してほしいけど。





「うわぁ………何じゃこりゃ…」




幼い頃、遠足で来た事がある"らしい"冷水岳(ひやみずだけ)。
来た記憶は無いのだが、古いアルバムの写真で見た事は覚えている。
それにしても、何と美しい景色だろうか。
【美しい】という言葉さえ小っ恥ずかしくて普段は使わんが、そんなしょうもないプライドなんか最初から無かった様に思えてしまうくらい美しい。








冷水岳から見た九十九島(西海国立公園)の極一部。
朝早すぎたせいか、贅沢にもオレ1人しかいなかった。





「こんな贅沢な場所に住んでたんか………オレ」





東日本大震災から3年後。
オレはたまたま現地で仲良くなった仮設店舗の寿司屋に毎年通う様になったのだが、そこへ向かう途中、必ずと言っていいほど松島海岸を通過する。

初めて松島に行った時は、そのスケールを見て流石に感動したが、高台から見下ろすポイントに乏しかった為、三回目からはさほど眺める事もなくなっていた。
松島、凄いんだけどね。

かといって、目の前の景色と松島を比較するつもりは無いのだが、自分が昔住んでいたという想いから来る感情……そんな気持ちのスパイスが効いているせいもあるんだろうが、とにかく暫し感動してしまった。
松島みたいに、土産屋とか旅館とかが一軒も無いのが逆に良かったのかも知れないな。
いやホント、寒さが邪魔しなければ二時間くらいボーッとしてただろう(←グランドキャニオン5分で飽きた人)。






バイカーには意外と知られてない絶景ポイントの冷水岳。入場も駐車場も無料。機会があったら是非行ってみてほしい。




そして、かなりベタだが、その後に行ったのがココ。





神崎鼻(こうざきばな)。
普段は地元の園児の遠足か、ピースサインで記念写真撮るアホなバイカーくらいしか来ないとは思う。





ま、最西端とか最南端とか最北端とか………ね、そこら辺の理由が無いと来ない場所と言ったらアレだが、天気に恵まれれば……その~、ご覧の通りのホレ、蒼い海の色と……背景には…ん~~…クッキリとした、いわゆる麻世の元嫁のカイヤみたいな平戸島が………………………………やっぱ止めとこ。
オレ、こういう観光案内って向いてねーわ(←正解)。



ま、とにかく気が向いたヒマな人だけ行ってみてくれ。
よくは知らんが、重度の水虫とかも治っちゃうみたいだし。










神崎鼻公園に向かう小径にあった、民家への入口。こっちの方が興味あるオレは変態。










それから、鹿町ってとこに早朝から開いてる小っちゃいスーパーが一軒だけあって、そこでタバコを買おうとして五千円札を出したら、




「お釣りの無かヨ」




って言われたバイ。









小佐々の観光情報は以上です、キャップ!