「こんにちは～」
展望スポットにいる、さっきのカスり野郎共２匹に《冷静に》声を掛ける。
ボケこらナメとんかクソガキどもがー！！
とか言うと思ったでしょ？
しませんよそんな事。
「あ……こんちは……」
(何や、30前後の兄ちゃん達かと思ったら、まだ学生みたいな顔しとるやないか…)
「えらい飛ばしてたなー、風圧で吹き飛ばされるかと思ったで」
「あ～…いや、そんなに飛ばしたつもりはなかったんですけど……近かったですか？すいません」
やっぱりな。
全身ライダースウェアのヤツって、バイクによっては年配に見えたりイカつく見えたりするけど、降りてメット外したら出来杉くんみたいに真面目そうなモヤシが多いんだわ。
で、運転になるとイキって無謀な事するんだよな。
こち亀に出てくる本田巡査かオマエらは。
「近かったかどうかは自分で分かってたからサイン出したんやろ？てか、ああいうのマジでやめてな、こっちは小型なんやし。自分らもトラックに真横をギュン抜きされた事とかあるやろうし、分かるやろ？」
「あ～、はい。すいませんでした」
時々通るのは、地元の爺さんが運転する軽トラぐらいな信号の無い道。
そんな道を愛車でぶっ飛ばしたくなる気持ちくらいはオレだって分かるのだが、そういうのは本当に誰もいない長めの直線だけでやってくれ。
大してバイクに興味の無いオレみたいな人間にしてみれば、ただ迷惑な害虫にしか映らんぞ二人とも。
ま、分かってくれたらそれでいいんだけどね。
中種子町ではタクシーを猛然と煽った疑いのあるオレが良く言うわと反省しかかったが、アレは緊急事態だったからと開き直る事にした。
気を付けて良い旅を、モヤシーズ。
そういえば去年だったか、ドラゴンズの慎ちゃんからの誘いで名古屋までバイクで行った事がある(←もちろん原付)。
で、その帰りに鈴鹿の峠を越えて、下りのワインディングに入った時、４台くらいの隼軍団が猛スピードで追い上げてきて、オレの前にいた軽トラを煽りに煽った挙げ句、路肩に停車させて追い抜いて行った。
確かその少し先にはダムがあったのだが、案の定というか、そのガキ共はダムで休憩しながら記念撮影をしていた。
「くぉらあクソガキども！オマエらクソバイクと一緒にダムに放り投げるぞボケがああああーっ！！」
ただでさえ人相の良くないオッサンが、メットインに積んでた工具を片手に怒鳴りながら近づいてきたら、サラサラヘアのガキンチョは堪ったもんじゃないだろう。
しかも、その時は本気で１台ずつ破壊してやろうと思っていた程ぶちギレていた。
ところが、である。
なんと、さっき路肩に停車させられた軽トラがこっちに近づいてきて、ドアを開けて降りて来たのは爺さんどころか、真冬にTシャツの袖をまくり上げたマッチョ親父だった。
「まあまあ……そんなもの持ってたら危ないですよ」
怒り心頭のオレにそう言いながらガキ４人の方へ歩いて行くと、おもむろに１人のガキの襟首を掴んで持ち上げた。
いや、あんた【荒法師、ジン・キニスキー】か。
マッチョ親父はそのまま何も言わずに手を放し、軽トラに戻って去って行ったが、残された４人は暫く茫然とした顔で座り込んでいた。
そりゃそうだわな、オレでもあんな野生熊みたいな親父から片手で持ち上げられたら、ひたすら謝るか『エコエコアザラク…』と呪文を唱えるしか逃げ道は無い(←分かる人いる？)。
ま、公道をプライベートサーキットと勘違いしてるライダーは腐るほどいるが、軽トラに乗ってるのはヨボヨボの年寄りだけだと思ってたらいつか痛い目に遭うという良い教訓だ。ガキどもには良い薬になっただろう。
爆音を上げながら集団で走りたがるハーレーのオッサン達にも困ったもんだが、それをウザがっているガキンチョライダーも、他人に迷惑掛けてるって意味では目糞鼻糞ってとこか。
願いが叶うなら、どっちも重度の椎間板ヘルニアになってくれ。頼む。
さて、そんなこんなでムカつく事も多少はあったが、そこはバイクに限らず車を運転してる人だって日常茶飯事だろう。
こういう嫌な思いって、ハンドル握ると余計に腹立ったりするのは仕方がない事だとは思うが(←だって生死に関わるからね)、結局は【譲り合い】するしか回避する方法は無いもんな。
オレは二年前の更新でやっとゴールド免許を取得したが、ゴールドになったら余計に運転が慎重になった。
また何年後かに二時間講習を受けるのも嫌だし、何より毎年毎年アホみたいに反則金払うのが馬鹿馬鹿しいってのが一番の理由(←駐禁とかね)。
どこの峠だったかは忘れたが、つい最近、オッサンライダーが集団暴走でパクられたのをニュースで観たが、今時大体防犯カメラかドラレコで撮られてる時代だからね。速度超過で金捨てるなんてのは、頭の弱いヤツがやる事だとオレは思う。
つー訳で、今日も皆様ご安全に。