(あら、こんな味やったかなー……)




3年ほど前に立ち寄った、鹿屋の漁港付近にある食堂。


その店はカンパチの漬け丼が名物なのだが、初めて食った時の美味さが忘れられなくて再訪してみた。






隣に直営の土産屋もあったのだが、コロナが原因という事で閉業していた。が、原因は他にあると思うぞ、ろくなもん売ってなかったし。



以前注文したのは、小エビのかき揚げが付いた定食だったと思うが、脂ののったカンパチ漬け丼+あら煮とセットで気持ち悪くなった記憶があるので、今回は無難に800円の定食をオーダー。
昼時は行列になる事も多々ある様だが、さすがにこの時期はすんなり入れた。
が、メニューをよく見てみると英語と中国語の表記が加わっている。










(はは~ん、さてはこの店にもインバウンドの波が押し寄せたな。それで隣の土産屋が閉業してたんか)



コロナにより閉業に追い込まれる観光業。
ま、それより大変な事になっている業種は山ほどあるのだが、外国人観光客に依存していた店には同情の欠片も持っていない。
大阪の黒門市場がその典型みたいなもんだが、欲に走って地元民を後回しにする様な店には必ずしっぺ返しが待っている。
あんまり忙しくなると作業化するんだよな、日々の仕事が。





お待ちかねのカンパチ漬け丼800円。米は失格。




(う~~ん……甘いっ!甘すぎる!)



テレビの食レポで、アホな女子アナが何でもかんでも『甘味がありますね』とかいうのとは訳が違う。
とにかく宮崎と鹿児島の醤油はキチガ◯レベルで砂糖甘いのだが、それに加えてあら煮の甘ったるさと白味噌っぽい味噌汁の甘さが追い討ちをかけ、最後の方は罰ゲームかと思えるほどしんどくなってくる。



(何でやろ?前は結構美味しく食べたんやけどなー……)



年齢と共に味覚も変わってくる事もあるのだろうが、それにしても異常な甘さだ。
お待ちの客はいないにしても店内はほぼ満席。
みんなよくこんな甘ったるいもん食えるなーと不思議に思ってしまう。





見るからに甘そうなギトギトあら煮。もはや和菓子レベルの甘さと言っても過言じゃない。




失礼ながら半分近く残してしまったが、これってやっぱり以前より不味くなってるな。
一時期のブームに近い繁盛振りにあぐらをかいたとしか思えない味の衰退。
特に米が以前より圧倒的に不味くなっていて、漬けが乗っていなかったら保温ジャー臭くて一口も食えないところだ。
やっぱりダメだな、天狗になると。オレも気を付けよう。






今回の旅で三回目のフェリー利用。何故だかワクワクしてしまう船旅なのだが、この直前にムカつく出来事が…






「あのー、ちょっとすんません」



急に降って来た雨から逃げる様に、道の駅桜島へ駆け込むオレ。
さっきから鳴り続けていた電話やメールをチェックする為にスマホを開くが、Wi-Fiの無い場所での使用が多かったためか、どーにも重い。
で、この道の駅にはフリーWi-Fiの表記が無かったので、インフォメーションの姉ちゃんに聞いてみようと声を掛けるも背中を向けたまま座っていて気付かない。



「すんませーん!」


「あっ、はい」



びっくりした様子もなく、耳に突っ込んでいたイヤホンを外して振り返る姉ちゃん。
ダメな公務員風な制服は仕方がないとしても、中が丸見えの案内所で、勤務中に動画観て暇潰しか。楽な仕事だな、道の駅のインフォメーションってのは。



「ここ、フリーWi-Fi無いんですか?」

「ああ……無いですね」



申し訳無さそうな顔をするでもなく、立ち上がって正面を向く訳でも無く、片手にスマホを持ったままの状態でボソッと呟くカス職員。
よく見ると姉ちゃんと呼べるほど若くはない様だが、それなら尚更普通の接客くらい出来るはず。
オレがオーナーなら2秒でクビにしとるぞ、その汚ならしい鼻のホクロを理由に。



「このロックがかかってるWi-Fiって、ここのですよね?ちょっとだけ使わせてもらえないですか?」

「……………それは出来ません」



一瞬迷った顔をした後、棒読みのお手本みたいな口調でそう呟く鼻糞ボクロ。
反射的に『あのなあ』と言いかけたが、それがここの決まりなら仕方がない。仕方がないのは分かっているが、さっきから人を舐めた様な態度のこのブサイクだけは許せない。




「そうですか、分かりました。あ、余計なお世話かもしれませんが、鼻クソ付いてますよ」



そう言って自分の鼻の下を指差すオレを、鬼の形相で睨み返すカス職員。
こんな子供じみた事をするオレもオレだが、その原因を作ったのはオマエの態度だ。
ブサイクな顔を真っ赤にして怒るくらいなら最初っから真面目に仕事しろ。仕事が嫌ならとっとと辞めて形成外科行け。




オレのすぐ近くのベンチでスマホいじりをしていたカップルが、そのやり取りを凍り付いた目で見ていた。
お騒がせして悪かったな、どうぞ良い旅を続けて下さい。
そして最後にこれだけは言わせてくれ……










あ~スッキリした♪