前回の話はコチラ↑





「いけたん!?あ〜良かったなぁ♪」



龍飛崎から青森港までは早かった。

ナビに出た所要時間を見て「?」と思ったが、そういや前に来た時は土砂崩れの連続で迂回ばっかりだったからな。実際は大した距離じゃなかったか。





他に店が無く、ただ外観が目立つだけのラーメン屋で昼メシタイム。

が、何だか知らんがめちゃめちゃ美味かった↑



北海道へは青函フェリーで行く事にしたのだが、一般的には津軽海峡フェリーの方が人気なんだろうか?

ま、たかだか四時間くらいの航海だし安けりゃ良いのだが、とりあえず無事乗船出来て何よりだ。

出航は夕方。函館に着くのは夜になるし、今夜はもう快活でいいか。どうせ六時間くらいしかいないんだし。




「私、脚悪くて出来ないんです〜」



乗船直後、係員から「センタースタンドでお願いします」と言われたド天然。

が、どうやらセンタースタンドでバイクを止めた試しが無かったらしく、咄嗟にそんな嘘が出るところは流石としか言いようがない。

動画を見てもらえば解ると思うが、結局後始末はいつもオレの仕事だ。




「ハンドルロックでお願いしまーす!」




係員の言葉に軽く頷く虚言癖。

が、何故かモタついてバイクから離れられず、そうこうしているうちに係員の一人が苦笑し始めた。

まさかとは思うが、自分のバイクのハンドルロックの仕方も知らなかったんだろうか?




「何をしてんねん💢」


「だってやった事ないねんもん💧」


「クソ重いタイヤチェーンはするクセに、何でハンドルロックせーへんねん!押し入れて左や💢」



その様子を見ながらニヤニヤが止まらない係員。

疲れるわ、マジで。









「なるほど、こりゃ安い訳だわ」




バイクで乗船したのはオレ達二人だけ。

津軽海峡フェリーに比べるとかなり見劣りする小型船だが、逆に質素な船内だと諦めが付くっつーか、他にやる事も無いしサッサと寝ちゃおうってな気持ちになる。




「見て〜、ベッド作ったで♪」



昭和の香り漂う合皮製のミニ枕。

それを全てかき集め、己のための簡易ベッドを作る迷惑熟女。

呆れて物が言えないとは正にこの事だが、案の定後から入って来た家族連れが白い視線を浴びせている。


申し訳無さそうに少しずつ元へ戻すド天然だが、そもそもターミナルで待っていたのはオレ達だけじゃないのに、何故こうなる事くらい想像付かないのか?

全くもって謎である。





(う〜ん、やっぱ快活くらいしかねーな。出来ればゲストハウスくらいにしときたかったんやけど…)




到着後の宿をアレコレ探すも、そこはやっぱりハイシーズンの北海道。

安宿と言える類の宿は全て高く、オマケに利用者は外人だらけっぽい有様だった。

別にそれはそれで構わないのだが、嗅覚過敏のオレに香水地獄はキツイのだ。





(ま、しゃあないか。とりあえず寝よ…)




既に大イビキを撒き散らしているド天然を横目に、気が付けばオレも爆睡状態に入っていた。やっぱ体は正直だな。










(ん……んあ〜っ………着いたかぁ……)






船内アナウンスで目が覚め、隣りでヨダレを垂らしている騒音オバサンを蹴り起こす。

オレがイヌイットならモリで一突きするところだが子供の前だ。無意味な殺生は止めておこう。






(いよいよ北海道かぁ…)






下船の準備を済ませ、少し引き締まった気持ちで車両甲板へ。

このツアーのタイトル通り、いよいよ明日からが旅の本番だ。





「言うとくけど、下船した瞬間に『北海道上陸〜♪』とか言うた時点で別行動やしな」


「何でよ〜?絶対言うヤツやん💧」


「ここから一週間、『でっかいど〜!』って言うても別行動や」


「それも言うヤツやん💦ホンマに変わってんなぁ、ジュンちゃんは」




狩猟から逃れたアザラシに『変わってる』と言われる筋合いは無いが、とにかく無事に最終日を迎えさせる事がオレの使命なのだ。

人間っつーのはチョケてる時が一番危ないし、そうじゃなくても必要以上にトラブルを引き寄せるド天然の事。

これくらいが丁度良いのである。







(よし、ひとまず北海道までは無事故無違反!長かった〜ε-(´∀`*)ホッ)








ここからだ。






絶対無事に帰さねば。













翌朝はセコマのオニギリ。特別美味くはない。