じぶんじかん

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ゼロから始めるバイクのすべて

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エンジンをひっくり返すと、ホコリとオイル泥水で酷いことになっていたので、右手にワイヤーブラシ、左手には洗剤と万全の構えで一時間。






うりゃ、っと。許容範囲内。塗装する際にはしっかり研磨してやるからしばしはこの状態でいてもらおうかな。にしてもエンジンがくるくるひっくり返せるくらい軽い。(といっても20キロくらいある)





そうこうしていると、ボアアップキットが届いた。ボアアップはバイクの排気量を大きくする。速度はもちろん上がる。下手に組むとエンジンがものの一月でお陀仏になるがな。キタコの75cc。ライトボアアップを選択。もちろん黄色ナンバーを取れる。はじめての横型エンジン、はじめてのボアアップ。不安より期待のほうが強かった。







エンジンを開ける前には整頓をしながらさ行をする。真剣に、一つずつを時間をかけて。年月の経ったボルトはかたい。だが、力は必要ない。プラスチック製のハンマーを使い、そして、大きさのあった精度の高いレンチを使えば簡単にほどける。回す力もいらない。押す力を第一に考え、ゆっくりと作業をする。10分ごとにタバコの火がつく。目に入る煙は気にならないくらいに一点を見つめていた。





組むにあたっての難関だった点はピストンリングや、カムチューンの調整、固着したガスケット排除、組む順番も間違えだらけで、完璧だと、もうあける必要がないと絶対的な自信が湧くまでずっと作業をする。パーツの置く場所は予め決めているので、ワッシャー一つも残らなかった。七時間、飲まず食わず、タバコを何箱開けただろう。心臓が破裂しそうなくらいの集中に寒さはなかった。







「このエンジン、組んでん」

腰はガチガチ、歳を感じるなあ。あたり一面オイルまみれ。気分は最高だが、後片付けは超大変だ。やるときゃ絶対シートかなんか敷いとけよ。

エンジンをかける前にタイムアップ。真っ暗になったとき初めて時間を見た。やべえ、この後用事あるんだった。

だが、エンジンを車体に乗せてしまいたい。ジャッキの用意してる時間もねえ。ええい、めんどくさい、腕で持ったるわ。華奢な体はジャッキとなった。火事場の馬鹿力とはこのことか。片手と足でエンジンを持ち上げてマウントさせたやつはなかなかいないだろう。




キャブの調整やチェーン張り、配線、サブフレームやアンダーカウル取り付け。まだまだ先だが、カタチにはなってきた。俺が作ったバイクと胸を張って言える日は近い。


げ、車体下げたからスタンド立たねえじゃん。