ED=勃起(ぼっき)障害=治療薬の効果と体に与える負担や害について教えてください。友人からもらって使ってみましたが、健康への影響が心配です。どのくらいの頻度で服用すれば良いのでしょうか。 (佐賀県、70代男性)





 EDとは、男性が十分な勃起を得られなかったり維持できなかったりして、満足な性交ができない勃起障害を指します。国内の患者は、ときどき性交ができない中程度の人も含めると1130万人と推計されています。

 男性が性的刺激を受けると、陰茎の海綿体内の血管がゆるみ、多量の血液が流れ込みます。これと同時に静脈が圧迫されて血流が止められるため、海綿体内部に血液がたまり勃起するという仕組みです。

 EDの原因のうち、身体的なものとしては、陰茎に血液を送り込む血管の障害▽性的興奮を伝達する神経の障害▽男性ホルモン分泌の異常-などがあり、主に糖尿病や高血圧、動脈硬化などによって引き起こされます。また、ストレスやうつ病など精神的な原因で起こることもあります。

 ED治療薬には陰茎の内部で特定の酵素を弱める作用があり、流れ込む血液を増やすことができます。服用すれば、50歳未満では90%、70歳以上でも60%の患者に有効だというデータがあります。治療薬が開発されるまでは、陰茎に血液をためた上で根元を締め付けたり、シリコン製の棒を陰茎に埋め込んだりするような方法しかなく、治療薬ができたことは画期的です。

 ED治療薬には、顔のほてりや鼻詰まり、頭痛などの副作用は報告されていますが、適切に服用すれば命にかかわる症状が起こることはありません。ただ偽造品の摘発事例もあり、インターネットでの購入や個人輸入には危険が伴います。併用できない薬もあるため、必ず医療機関を受診し、一度に飲むべき量や服用のタイミング、使用頻度などについて説明を受け、医師の処方によって購入してください。

 市販されている治療薬は、バイアグラ(ファイザー製薬)、レビトラ(バイエル薬品)、シアリス(日本新薬)の3種類。それぞれ、薬が有効な時間や使用量などが違うため、どれを使うかについても医師と相談してください。

 性の悩みを解決することによって人生の可能性が広がります。性病予防にも気を付け、正しく使ってください。