ファンケルは7日、発芽玄米に含まれる成分が肥満や動脈硬化を予防する機能を持ち、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)対策に役立つことを証明したと発表した。太りにくい体質づくりに役立つとみて、食品やサプリメントの開発につなげたい考えだ。

 同社では発芽玄米に含まれる成分「発芽米ステロール配糖体(PSG)」の機能を調べるため、高知女子大学、米ジョージア医科大学と共同で実験を実施した。実験では、あらかじめ太らせたマウスを、脂肪の多い餌を与え続けるグループとPSGを加えて与えるグループとに分け、2カ月後の状態を調べた。

 その結果、PSGを摂取したマウスは脂肪の多い餌のみを食べたマウスに比べ、体脂肪の量が35%少なかったほか、動脈硬化を防ぐ酵素の働きが活発なことが分かった。血糖値や中性脂肪の値も少なかったという。

 こうしたことから同社では、脂っこい食事をとった場合でも「PSGを組み合わせれば、太りにくい体質づくりにつながり、肥満を抑制できる」としている。

 これまでは、発芽玄米の摂取が肥満抑制に役立ち、PSGが関与している可能性があることは分かっていたものの、具体的な証明に至っていなかった。研究成果の詳細は9日、静岡県浜松市で行われる第30回日本肥満学会で発表する予定だ。