血糖値が高い!簡単に下げられるツボってないの!?

血糖値が高くてお困りの方へ。

そのお気持ち、とってもよくわかります。

 

けれども、 結論から言うと、ツボを押すだけで血糖値が劇的に下がるわけではありません。

 

 血糖値は、日々の食事や運動、内服薬など、様々な要因によって変動します。

そもそも、糖尿病に関する捉え方が西洋医学と東洋医学では異なっています。まずは、西洋医学の医師に相談して診断治療を受けることが最優先です。

 

ただ、補助的な手段として、体調を整える目的で行うことのできるツボのご紹介はできますので、補助的に行われたい方はご参考ください。

 

東洋医学における血糖値が高い状態の考え方

 

そもそも、西洋医学と東洋医学では、血糖値の高いお身体の状態への捉え方が異なります。

 

東洋医学では、血糖値が上がる「糖尿病」を、特定の臓器の機能低下だけでなく、全身の気のバランスが崩れた状態と捉えます。

 

特に、「陰虚(いんきょ)」という体質が深く関わっていると考えられています。

 

東洋医学における血糖値上昇の主な要因は、以下の3つの臓腑(肺、胃・脾、腎)のアンバランスからくると考えられています。これは「消渇(しょうかつ)」という概念で説明されます。

 

東洋医学の観点から、もう少し説明してみましょう。

まずは 

 「陰虚(いんきょ)」

 「消渇(しょうかつ)」

 

について説明してまいります。

 

陰虚(いんきょ)体質とは?

東洋医学では、人の身体を構成する要素を「(き)」「(けつ)」「津液(しんえき)」の3つに分け、これらがバランスを保つことで健康が維持されると考えます。

 

そのうち、「津液(しんえき)」は身体を潤す水分や栄養分全般を指し、東洋医学ではこれを「陰(いん)」と呼びます。

 

「陰虚」とは、この身体を潤す「陰(水分や潤い)」が不足している状態を指します。

いわば、身体が「ドライヤーの熱風にさらされている」ような状態と考えるとわかりやすいかもしれません。

 

陰虚体質の主な特徴

 

「陰(潤い)」が不足すると、相対的に「陽(熱)」が優勢になります。

そのため、以下のような「乾燥」と「熱」に関する症状が、身体のあちこちで現れやすくなります。

 

1. 身体の乾燥

  • 肌や唇の乾燥: 身体の内側が潤っていないため、表面の肌や唇がカサカサになりやすいです。

  • 喉の渇き: 常に喉が渇いて、冷たい飲み物が欲しくなります。

  • 便秘: 腸の潤いが不足し、コロコロとした便になりがちです。

2. 熱感とほてり

  • 手足のほてり(五心煩熱): 手のひら、足の裏、胸の5箇所が熱っぽく感じます。

  • 寝汗: 寝ている間に汗をかきやすいです。

  • 顔の紅潮: 夕方や夜になると顔が赤くなりやすいです。

  • 微熱: 身体の奥にこもった熱が原因で、微熱が続くこともあります。

3. 精神的な症状

  • イライラ、不眠: 身体に潤いがなく、熱がこもるため、心が落ち着かず、イライラしたり眠りが浅くなったりします。

 

陰虚体質になる原因

  • 過労、不規則な生活: 夜更かしや仕事のしすぎは、身体のエネルギーや潤いを過剰に消耗させます。

  • ストレス: ストレスは身体に熱を生み、潤いを消耗させます。

  • 熱い食べ物や辛いものの過剰摂取: 香辛料や揚げ物、熱い飲み物などを摂りすぎると、身体の熱がこもりやすくなります。

  • 加齢: 東洋医学では、加齢と共に身体の潤いが減少すると考えます。

陰虚体質と血糖値の関係

血糖値が上がる「糖尿病」は、東洋医学では身体の「潤いが消耗された結果、熱がこもった状態」と考えます。まさに「陰虚」の典型的な症状と重なります。

 

鍼灸でのアプローチ

鍼灸では、身体の潤いを補い、余分な熱を取り除くツボを用いて、陰虚体質を改善していきます。

  • 潤いを補うツボ: 腎経や脾経に属するツボを使い、身体の根本的な潤いを補います。

  • 熱を冷ますツボ: 肺や肝の経絡のツボを使い、身体にこもった熱を冷まします。

 

「消渇(しょうかつ)」とは?

 

東洋医学には「糖尿病」という病名はありません。

 

代わりに、過剰な飲食やストレスなどによって引き起こされる、「多飲・多食・多尿」を主症状とする病態を総称して「消渇(しょうかつ)」と呼びます。

 

「消」は「消える、減る」ことを意味し、身体の潤いやエネルギーが消耗されていく様子を表します。 

 

「渇」は「渇く」ことを意味し、喉の渇きや身体の乾燥を指します。

 

この2文字が示す通り、「身体の潤いが内側から消耗し、喉の渇きや尿の増加といった症状が現れる病気」と捉えられています。

 

歴史的に有名な人物では、

「この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも 無しと思へば」

と詠んだ 平安時代の藤原道長が、「水飲み病」今の糖尿病だったのではないかと言われています。

 

三つの「消」:病気の場所による分類

 

消渇は、症状が現れる部位や原因によって、主に以下の3つのタイプに分けられます。これは、現代の糖尿病のタイプや症状と深く関連しています。

 

1. 上消(じょうしょう)

  • 場所: 身体の上部、主にに関わる病態です。

  • 原因: 肺に熱がこもり、身体の潤いが消耗されることで起こります。

  • 主な症状:多飲(たくさんの水を飲む)が中心です。激しい喉の渇きや、尿の量が増えることもあります。これは、身体の熱を冷まそうと水を欲する状態です。

  • 現代医学との関連: 糖尿病の初期症状や、比較的軽度な高血糖状態に似ています。

2. 中消(ちゅうしょう)

  • 場所: 身体の中央部、主に胃と脾に関わる病態です。

  • 原因: 胃に熱がこもり、消化機能が異常に亢進することで起こります。

  • 主な症状: 多食(たくさん食べるのに痩せる)が中心です。異常な食欲があり、空腹感が強く、食べても食べても満たされないという特徴があります。

  • 現代医学との関連: 胃腸の働きが活発になることで血糖値が不安定になる状態や、インスリンの効きが悪くなる状態(インスリン抵抗性)に似ています。

3. 下消(げしょう)

  • 場所: 身体の下部、主にに関わる病態です。

  • 原因: 腎の働きが弱まり、身体の潤いやエネルギーが消耗されることで起こります。

  • 主な症状: **多尿(尿の回数や量が増える)**が中心です。尿の量が多く、頻尿になり、身体がだるくなったり、手足がほてったりといった症状も現れます。

  • 現代医学との関連: 糖尿病が進行し、腎臓に負担がかかっている状態や、合併症が現れている状態に似ています。

消渇と現代医学の糖尿病

東洋医学の「消渇」は、現代医学でいう糖尿病の病態を、「どの臓腑の不調が、どの症状を主に引き起こしているか」という視点で分類したものです。

 

 

東洋医学における「糖尿病」にあたる不調の考え方

それではあらためて、東洋医学において、血糖値が上がる「糖尿病」を、特定の臓器の機能低下だけでなく、全身の気のバランスが崩れた状態とする捉え方について説明いたします。

 

1. 肺の不調:津液(体液)の消耗

  • 考えられるアンバランス: 肺に熱がこもり、潤いが失われる「肺燥(はいそう)」の状態。

  • メカニズム: 肺は「水の上源」と呼ばれ、身体の水分代謝を司ります。ストレスや過労、季節の変化などで肺に熱がこもると、身体に必要な潤い(津液)が消耗されます。これにより、喉の渇きや多飲といった症状が現れ、血糖値の上昇につながると考えられています。

  • 主な症状: 喉の渇き、空咳、多飲(たくさんの水を飲む)、少量の痰など。

 

2. 胃・脾の不調:消化吸収の乱れ

  • 考えられるアンバランス: 胃に熱がこもり、消化機能が異常に亢進する「胃熱(いねつ)」の状態。

  • メカニズム: 食べ過ぎや脂っこいもの、甘いものの過剰摂取により、胃腸に熱がこもります。これにより、お腹が空きやすくなったり、過食につながったりして、血糖値のコントロールが難しくなります。

  • 主な症状: 過食、すぐに空腹になる、口臭、胸やけ、便秘、多汗など。

 

3. 腎の不調:エネルギー(精)の消耗

  • 考えられるアンバランス: 腎の働きが弱まり、潤いやエネルギーが不足する「腎陰虚(じんいんきょ)」の状態。

  • メカニズム: 糖尿病が慢性化し、長期にわたって身体が消耗すると、腎の潤い(腎陰)が枯渇します。腎は身体の根本的なエネルギー源である「精(せい)」を蓄える場所であり、腎の弱りにより身体に必要な水分やエネルギーが尿と共に漏れ出してしまいます。

  • 主な症状: 多尿、頻尿、だるさ、手足のほてり、耳鳴りなど。


東洋医学的糖尿病の捉え方のまとめ

東洋医学では、血糖値が上がる要因を、単一の臓器の問題ではなく、「身体の熱」「潤い(津液)の消耗」というアンバランスが、それぞれの臓腑(肺、脾、腎)に影響を及ぼすことで生じると考えます。

  • 飲食の不摂生: 甘いものや脂っこいものの摂りすぎは、胃に熱を生じさせ、過食につながる。

  • ストレスや過労: これらが長期化すると、身体の潤い(津液)が消耗し、肺や腎の陰虚を引き起こす。

  • 生まれつきの体質: 遺伝的に「気」や「精」が不足している人もいる。

このように、東洋医学では、個人の体質や生活習慣、現れている症状を総合的に診断し、そのアンバランスを整えることで、血糖値の安定を目指します。

 

東洋医学では、糖尿病を『消渇』と呼びます。これは、単に血糖値が高いというだけでなく、身体の根本的なバランスが崩れた状態を指します。

 

当院では西洋医学とは異なる視点から、お客様の身体の根本的なバランスを整えるお手伝いをいたします。

 

血糖値管理に役立つツボの例

以下に、血糖値の管理に役立つとされる代表的なツボを3つご紹介します。

 

これらのツボは、血行促進や消化器系の働きを助ける効果が期待でき、間接的に血糖値の安定に貢献すると考えられています。あくまでも、身体の状態を整えるためのツボです。

 

即、血糖値を下げるツボではありません。

 

  • 三陰交(さんいんこう)

    • 場所: 内くるぶしから指4本分、脛の骨の後ろにあるくぼみ。

    • 期待できる効果: 消化器系の働きを整え、血行を良くする効果が期待できます。

  • 足三里(あしさんり)

    • 場所: 膝のお皿から指4本分下、脛の骨の外側にあるくぼみ。

    • 期待できる効果: 胃腸の働きを活発にし、消化吸収を助ける効果があります。

  • 然谷(ねんこく)

    • 場所: 足の裏、土踏まずのあたりにある、足の内側のくぼみ。

    • 期待できる効果: むくみ解消や、腎臓の働きを助ける効果があると言われています。

 

 

 

まとめ

 

血糖値管理においてツボ押しは、血行を促進したり、消化器系の働きを整えたりすることで、間接的に身体の調子をサポートする役割を果たします。日々の生活にツボ押しを取り入れて、健康維持の一助としてみましょう。

 

ただし、ツボを押しただけで血糖値が劇的に下がるというものではありませんので、血糖値が高い・糖尿病の疑いがある場合は、必ず医師の診断治療を受けるようにしてください。

 

【免責事項】 このブログ記事は、ツボに関する一般的な情報を提供するものであり、医学的な助言を提供するものではありません。具体的な治療法については、必ず医師にご相談ください。

 

東洋医学についてのご質問は、訪問鍼灸マッサージの際にご相談をお受けすることが多々ございます。

 

日々の生活でのお悩みや、リハビリについてご不明な点があれば、いつでもお気軽にご相談ください。私たち専門家が、皆様の快適な生活をサポートいたします。

 

 

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