【なあに、大したことはない】

青山俊董（しゅんどう）氏の心に響く言葉より…

《なあに、大したことはないんじゃ。》（沢木興道）

死の病にとりつかれ、七転八倒している女性に、某禅師が時々大笑していわれた。

「あんた一人ぐらい死んでも、世の中、何ともないわい」と。

自分で自分を縛っていた縄がストンと切れて楽になり、病からも立ちあがることができたという。

「しみったれた顔して、やれ金がないとか食えぬとか」といっている人に、沢木興道（さわきこうどう）老師は語られた。

「一文無しでも笑うことがある。億万長者でも泣くことがある。なあに、大したことはないんじゃ」と。

入試に落ちて泣きべそをかいている若者に「おれより優秀な人間がたくさんいて、日本は安泰じゃと喜べ」と語り、商売にいきづまり借金に苦しんでいる人に「なあに、人生のゲームと思えばよい」と、内山興正（こうしょう）老師は語られた。

いきづまったとき、頭へカッときたとき、「なあに、大したことはない」と、カラカラと笑いとばしてみよう。

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青山俊董氏は大本山總持寺西堂、愛知専門尼僧堂堂長で、曹洞宗の尼僧。

澤木興道、内山興正、余語翠巖（よごすいがん）らに師事した。

1933年に生まれたとき、将来出家するであろうとの予言があったとされる。

全てのゲームは、うまくいかないから楽しい。

たとえば、ボーリングで、どんなところにボールを投げても、すべてピンが倒れ、ストライクになったとしたら、このゲームをやる人は誰もいなくなってしまう。

ゴルフも、サッカーも、野球も、みな同じだ。

人生もまた、ゲームのようなもの。

思い通りにならないから、また挑戦しようと思う。

思い通りにならないことを楽しむゲーム。

今東光和尚は、「人生とは何ですか」と問われたときこう答えた。

「人生というのは、冥途（めいど）までの暇（ひま）つぶしだよ」。

『いきづまったとき、頭へカッときたとき、「なあに、大したことはない」と、カラカラと笑いとばしてみる。』

人生という壮大な暇つぶしのゲームを楽しみたい。