パネル展に出掛けた日

長く行けてなかった映画館へ行ってきました。

 

上映される前から、観に行きたいと思っていた映画。

でも、緊急事態宣言が出ちゃって、

諦めていたけど、延長しててくれた!

 

『ブータン 山の教室』

 

【ストーリー】

教師などさっさと辞めて、オーストラリアに渡り歌手になることを夢見ているウゲン。

ある日、上司から、ルナナの学校に赴任するよう言い渡される。

 

険しい山道を登り、8日間かけて到着したルナナ村は

電気も水道もない標高4800mの過酷な場所だった。
 

すぐにでも帰りたいウゲンであったが

村人たちは、温かく迎え入れてくれる。

 

そしてそこには、勉強したいという子どもたちが

目をキラキラと輝かせて、先生が来てくれるのを

待ち望んでいたのだ。

 

 

 

ブータンの伝統歌『ヤクに捧げる歌』を歌う女性、セデュ。

透き通る歌声が、高地の自然の中に澄み渡る。

 

 

どうしてここで歌を歌っているのかと問うウゲンに

セデュは答える。

 

歌を捧げてるの
歌を万物に捧げているのよ
人、動物、神々
この谷の精霊たちにね

オグロヅルは鳴くとき
誰がどう思うかなんて考えない

ただ鳴く  私も同じ
 

パオ・チョニン・ドルジ監督は

「この歌は、高地で暮らすヤク飼いの歌です。

人生について多くのことを教えてくれると同時に、

私たちが暮らす自然と大地への感謝も歌われています。

さらに、仏教がいかなるものなのかも伝えています。

輪廻転生などについても触れられているんです」と説明している。

 

 

 

村人たちは、ヤクというウシ科の動物をとても大切にしている。

ヤクは、乳からチーズを、毛からテントを、ハレの日には解体して肉を、

そして糞は着火剤にと、余すところなく利用される。

 

高地のブータン人にとって、ヤクは家族であると同時に財産でもある。

 

 

生徒役の子どもたちはみな村に住む子どもたちが演じている。

学級委員のぺム・ザムは、9歳。

とても素朴で可愛らしい女の子だ。

 

ペム・ザムを見たら

大人が子どもに教えられることって、一体何があるんだろうって思った。

学ぶことに一番必要なことは、好奇心なんだなって思った。

人として大切なことは、他者を受け入れ、礼節を重んじること。

人だけでなくて、あらゆるものに…。

 

 

 

見たこともない壮大な景色と、

そこに住む人々、古くからの伝統の美しさ、智慧

色んなものを感じた映画です。

 

 

 

 

いつかこの映画に出演した、ルナナ村の子どもたちが

この映画を観ることができますように。

 

それでもなお、子どもたちの瞳から

輝きが消えることのありませんように。