11月2日(火)、病院受診のあと

 久しぶりに映画館に行った。

 

 

 

北海道阿寒湖にあるアイヌの集落アイヌコタンを舞台にしたドラマ。

アイヌ文化と距離を置くようになっていた集落の少年が、

亡き父の友人とのやり取りを通じて民族のアイデンティティーを強く意識していく。

 

もう2週間が経とうとしているのに、いろんなこと考えてた。

 

10年前、北海道の友達に会いにいった。

その友達の運転で、札幌から網走、知床…

8日間の旅をした。

 

車の助手席から見た案内標識

珍しい地名を目で追う

 

女満別、美幌、斜里、常呂、佐呂間

知床、紋別、羅臼、虹別…

 

友達に、地名の語源がアイヌ語だと教えてもらって

 

例えば、

摩周湖は、キンタン・カムイ・トーといって、

 山の神の湖って意味があるんだよ、とか。

 

アイヌの人のこと、知りたいって思ったんだ。

 

 

アイヌの人たちが住んでいた蝦夷地を

約150年前に、当時の政府が北海道と改め

本州からたくさんの和人たちが入ってきて

開拓を始めた。

 

アイヌの人たちは、それまでの風習を「野蛮なもの」と禁止され

鹿猟や鮭漁を禁止され、強制的に日本語教育をされたり

住む家を追われるなど、和人によって迫害された。

 

その「野蛮なもの」に、可愛がって育てた熊を殺すという

イオマンテという風習がある。

 

イオマンテは、

人間の世界(アイヌモシリ)に遊びに来られた神(カムイ)を

神の国(カムイモシリ)にお返しするといった儀式のこと。

 

 

アイヌの人たちは、どんなものでも神(カムイ)といって崇めた。

器一つにしても、カムイ…。

人間が手で受け止められない熱い汁を受け止めてくれるものだから。

 

そんな自分以外のものを尊重し、敬う文化って

 私たち日本人はどこかへ置き忘れてきたよな、って思う。

 

 

アイヌ文化の本質を表す言葉に、

ウコチャランケ、という言葉があって

 ウ=互い、コ=それ チャ=言葉 ランケ=降ろす

お互いに持っている言葉をそこにおろし、公正に判断しようという意味で使われる。

 

 

 

また戻らないといけないんじゃないかな。

人間がこれからも生きていくために。