10/26(月) 午後10:45-午後11:14 に放送されていた

  ノーナレ

    ナレーションのない30分間。

  【富士山と牛と僕】  がすごく良かった。

   (初回放送は2019年4月15日)

 

 

静岡県朝霧高原。雄大な富士山のふもとで酪農家の両親の元に生まれ育った。

15歳の中学3年生、中島佳大朗くん。

 

牛の扱いは上手く口笛ひとつで牛を追う。そんな彼が、北海道の高校への進学を決めた。

故郷を離れるまでの2か月間…。子牛の誕生、心に刺さる姉の助言、父母が教える酪農の奥深さ。

15歳の心の揺れと成長を4Kカメラで丁寧に記録した、家族の感動の物語を再び!

第73回・日本映画テレビ技術協会映像技術賞受賞作品。初回放送2019年4月15日。

 

 

口笛ひとつで牛を追う。

 

俺の場合は、口笛を結構昔から練習してて

牛たちみんな集まってくるから

俺ふつうに歩いてるだけっていっても

追おうと思って歩いているんで

たぶん、それですよ絶対

牛こっち行ってくんねぇかなって考えながら

やっぱ 考えが伝わるんじゃないですか

 

みんな普通なことってあると思うんですよ

たとえば、電車に乗るとか

近くにあるもの  親とか

特に何も感じないもの

いつも何気なくいるような感じの

それが僕とかだと

富士山の存在とか酪農とか

 そういうことになるのかな

ちっちゃい時からずーっと

おんなじようなところしか見てなかったので

 

 

 

お母さんの中島由美子さん。

 

時間がゆっくり流れてる子なの

悠久のときが流れてる、彼には

 

癒しのパワーを出してる

ふわーっとしたものを出してる

 

小学校の頃に、 

 将来何になりたいの?って聞いたら

 

「ゴロゴロしてて、時々散歩する人になりたい」

 

本当に「三年寝太郎」ぽくって

三年寝太郎って、三年くらい何もしないで

ずっと寝てて、三年経ったら起きてきて

みんなのためにいいことができるっていう

昔話だったと思うんですけど

将来、大きい人間になるんじゃないかなって

期待を込めて

 

 

佳大朗くんから見たお父さんは?

父親は 

情熱的な人かな

楽しいことが好きなのかな

一つのことをずっとやっていられるような人

 

 

お父さんから見た今の仕事は?

放牧の良さっていうのは

見て 楽しい

 

 

人と牛一体で生活しているっていう感覚があるんですよね

 

牛のできないことを人がして

人のできないことを牛がするっていう

 

 

佳大朗くんから見たお母さんは?

 

お母さんは

感情が豊かな人

喜怒哀楽?

わかりうやすいくらい、感情が豊かな人

 

 

お母さんから見た酪農の仕事とは?

 

酪農は

カッコいい仕事だと思ってるし

神様の手伝いをちょっとしているぐらいのことで

生活と仕事が一緒なので

人間らしい生活ができて

携われるのは すごいラッキー

牛と接するときは

愛情深い感じで接したいなって

生まれたからには

ここから、最後いなくなる時まで

幸せでいてほしい

リラックスして、ここにいて良かったなって

思えるように

 

 

姉は4代目を継ぐといって

北海道の高校に進学。

 

弟、佳大朗くんも同じ酪農の高校に進学を決めた。

 

 

「継ぐとははっきり言わないけど、

 継ぐ準備はしておく」

「高校行って、他にやりたいこともできるかもしれないから」

「自分の人生なので、やりたいことをやりたい」

 

 

 

子牛が生まれた。

 

 

 

 

 

 

 

北海道の酪農高校に進学が決まった佳大朗くん。

合格発表後から、微熱が出て

寝っ転がったまま、ゲームばかりしてる佳大朗くんの部屋に

姉の萌子さんが、手作りプリンを持ってきて、

こう話しかけるんだ。

 

 

今度行く高校のことさ、どう思ってる?

身体痛いとかで、ゴロゴロできませんから

すごい辛いし、やなこといっぱいあるし

一番おっきいことは、家族がいないことなんだよね 実は。

離れてるじゃん

あんた、人に嫌だったこととか、あんまり言わないからさ

本気で悩んだときとか、相談できる人って

限られてきちゃうの

まじで、ちゃんと聞いて これ大事だから

めちゃくちゃいい子がいるかって言われたら

そうでもないんだけど

でも、あの時できた繋がりが今でも続いてたりするから

 

佳ちゃんにとって、すっごい大きな宝物になると思う

高校生活

あなた次第ですけど、結局は

こんなに今までのように仲良くなれるかはわからないけど

きっと、なんかしらいいものがあると思います。

 佳大朗くん。

 

 

中学の卒業式の日に

 【卒業記念 搾乳】

 

搾乳の時間になると、牛たちは自分たちからやってくるんだけど

1頭だけ、入りたがらない牛がいて

 

おっぱいが切れて、痛いから。

 

 足が痛くて、起きるときに自分で踏んじゃった。

 

それを見た佳大朗くんが

 

15年生きてますけど、

まだ15年なんですけどね

ここに居て、

ああいう怪我が起きたことを一回も見たことがなかったので

自分でもワケわかんなくなって

パ二クって、みたいな

だめだ、今日 卒業式より泣きそう

 

 

 

前は全然意識してなかったです

ただの牛

    以上

それだけ、みたいな

今はちゃんと生き物って感じるようになりました

牛は生き物じゃないですか

生きてるものを飼ってて、

それには責任があると

僕の中では変わりました

 

北海道へ旅立つ朝

 

富士山に向けてシャッターを切る

 

 

 

なんか、じーんと温かくなる番組でした。

 

 

最後にお母さんが搾乳しながら

 【いのちの歌】を歌ってるんです。

 

 泣けました。