第七藝術劇場にて 映画「海炭市叙景」を観に行ってきました。 


作家・佐藤泰志が、故郷の函館市をモデルにして描かれた作品。
短編集「海炭市叙景」は、1988年 文芸雑誌に連載されていた。
36編の構想があったが 18編で打ち切りになっている。


映画は、その中の5編を中心に構成されている。

 「まだ若い廃墟」
 「ネコを抱いた婆さん」
 「黒い森」
 「裂けた爪」
 「裸足」


作品が書かれた時代 バブル絶頂期。
でもそれは都会のごく一部だけのものだったかもしれない…。

バブルに浮かれる人がいる中で
過疎化されていく町で、懸命に生きる人たちがいる。


生きることは辛く苦しいことの連続…
それでも、人は働き、生きていく…。


私は、本来 暗い性格なのだと思います。


どうして生きてるんだろ とか
どうして私は今 ここにいるんだろ とか
どのように生きていけばいいんだろ とか

 心の中で 真面目に考えちゃったりします


日常、人と会ってる時は
そんな顏は見せませんし、自然にそこに染まってるんですが…。



日々進化し、便利になっていく世の中で
それに着いていくことができず
取り残されてゆく人たちがいる…

 それは、私自身にもいえることかもしれない。





 



その後 
 「書くことの重さ」 も観てきました。

 佐藤泰志(1949~1990)

芥川賞に何度もノミネートされながらも受賞を逃した小説家・佐藤泰志さんの生涯を描いた作品。


厳しい冬と短い夏の街、函館。佐藤はこの街に生まれ育ち、20歳まで過ごす。
父母は青函連絡船を往復して、
青森産の黒石米を運び、函館で売りさばく「担ぎ屋」として生計を立てた。

幼いころから作文を書いた佐藤は、
中学2年の文集に「芥川賞作家になる」と将来の目標を書いている。


大学入学を機に上京。いくつもの職に就きながら小説を書き続け、1977年に文壇デビューした。
しかし鳴かず飛ばずの時期が続き、母の結核発病を機に帰郷を決意。
1981年4月に家族を連れて故郷に戻り職業訓練校に通い出したが、
「きみの鳥はうたえる」が芥川賞の候補に選ばれ、翌年再度上京し、執筆生活に励むようになる。

「海炭市叙景」はこの約1年間の函館生活の中で構想したとされる。
佐藤にとって11年ぶりの函館は市街地化が急速に進み、変貌するなかにあった。

失われていく街並みや都会の繁栄とは対照的に衰退する地方都市のありさま
函館朝市で苦労して生きた両親のような庶民の暮らしぶりに目を向け、
地元・函館の街を描こうと試みた意欲作だった。

引っ越しのコンテナを待つシーンなど、佐藤の函館での体験談がモチーフと思われる部分もある。

小説が進むにつれ、四季は冬から春に移り変わるが、この後「夏」と「秋」も書き進める構想だった。


 








映画館滞在時間 5時間余…

この2作品を観たことで、作家、佐藤泰志さんを
もっと知りたいと思いました。


人によって観方は様々だと思うけど
人間臭い人間が好きな私は、この映画はとても好きな作品です…。







林修先生が テレビで言ってたけど

 「本を読まない人は嫌い」
 「本はその人の人生を削って書いている」

 この言葉、ひどく共感するんだな。