ある夜ふと、

「私、このまま一生独身で寂しく死んでしまうかもしれない・・・」

と意味もなく不安になり、
この不安をどうにか解消したくて、占いに行った。

場所は新宿の中心からちょっと離れた、古い雑居ビルの3階。

中に入ると、サイトで見たエミ先生がいた。

「さあ、こちらにどうぞ」

「失礼します」

写真どおり、なんとなく安心できる先生だ。

「今日は何をみましょうか」

「私いつ結婚できるのか、それとも、できないのか知りたいんです」

「はい、ではみていきましょうね。最初にオーラを見ますね」

おっ、スピリチュアルだ。

「ピンクと緑と青のオーラがあるね。
ピンクは、周りのみんなから愛されるオーラ、
緑は、人があなたと一緒にいたら癒されるオーラで
青は、知性のオーラ」


「ピンクなんかあるんですか?」

「うん、あるよ、結構出会いとかあると思うけど、どう?」

「う~ん、出会いはあるのかもしれないですけど、
 なかなか上手くいかないんです」


「じゃあ、次に恋愛を詳しくみていきましょうか」

次に四柱推命とタロットで恋愛運をみてもらった。

「サクラさん、モテる運勢、結婚運はあるのに、恋愛に自信を持っていないねぇ~
 自信がない分、恋愛をすぐに目に見える形にしたがるわね。
 付き合いを楽しむ前に、結婚っていう形を求めるところある?」


「あっ・・・そういうところあると思います」

「それから、理想が高いわね~ 
いざつきあっても、その理想に違うと急に冷めるでしょ」


「あ、そうかもしれません」

「恋愛運、結構いいんだけどねえ」

「そうなんですか?」

「あ、誰か過去に忘れられない人いるんじゃない?」

「えっ、あっ、そう言われると心あたりはあります・・・」

「その人のこと今も引きずっているとかじゃないんだけど、
 なんか新しい人と出会っても、
その過去の人を新しい人に投影しているわねえ」


「投影って?」

「無意識のうちに新しい彼に、過去の彼の姿を求めているのよ」

「そんなつもりはないんですけど、そうなのかなあ・・・」

「でもね、今年前半は恋愛で振り回される運勢だったけど、
これから10、11、12月は恋愛運が上昇するわよ~」


「本当ですか?」

「うん、あと来年には大きな結婚の運があるわね。
 でも、もし来年なければ、次の年はなくて、3年後、あとは5年後」


「本当ですか?」

「うん、本当よ。あとね、サクラさんは
霊感というか直感が強いタイプなので、
 いつも自分の直感を信じなさい。
青のオーラがある人は頭で考えすぎちゃうところがあるんだけど、
本当はあなたは頭で考えるより、直感で行動するタイプだから
 あんまり考えすぎちゃダメよ」


「ふ~ん、そうですか」

「それと、恋愛体質なので、
お見合い、紹介にはあまり向かないわね。
グループでみんなの中で一緒に過ごす間に仲良くなって、
好きになっていく方がいいわ」


「お見合いとか紹介にいくと、
なかなかいい人に出会えなくて、かえって落ち込むんです」


「そうだと思うわ。サクラさんは条件よりも
好きになるってことを優先する人だから
 お見合じゃないわね」


「あとは、芸術運があるので、自分を表現するものを持っているといいわ。
 絵を描いたり、文章を書いたり、写真でもいいわね」


「先生、ブログとかで自分の思うこと書くのは?」

「うん、そうやって自分を表現するといいわよ」

そろそろ終了時間になってきたところで、

「とにかく、この10月から恋愛運がアップするから、きっといい出会いがあるわよ。
 それと、結婚運もあるから、自分を信じて、自信をもって!
 で、また悩んだら、ここにいらっしゃい」


単なる占い師の先生が言っただけなのに、
恋愛運も結婚運もあると言われて、妙に安心した。

「一生独りじゃないんだ・・・」

雑居ビルから新宿駅までの帰り道、
来た時と全く同じ道、風景なのに、なぜか空が高く感じられた。


いよいよ恋愛運アップですって☆