２００８年を含むそのあたりは、邦画が満開で

夏帆の「天然コケッコー」蒼井優の「百万円と苦虫女」永作博美と松ケンの「人のセックスを笑うな」などなど

あたしの中で１０代の良き日を思い出すように、いつまでもみずみずしく心に残っている作品が多い

「歩いても歩いても」はその中の１本

家族の物語

映画館で初めてみた是枝監督の作品で家族の何気ないある日をゆったりとしたテンポで進んでゆくのですが

単調なんだけど、角ばっていなくて表情豊かで丁寧に描かれていて会話が生きているのです

スクリーンの向こう側の吹いている風やお家の匂いまでしてくるよう

セリフ自体が自然であるのはもちろんのことですが

スクリーンの向こう側に居る家族が発しているような会話のナマっぽさに惹かれるのです

たぶん、あたしは是枝監督と同世代ということもあり

背景や家族の描き方にしっくりとくるところが大きいのだとも思う

そんなこんなで、「歩いても歩いても」は本当に好きな映画で

だもんで、公開中の「海よりもまだ深く」は楽しみにしていた映画です

こちらも家族映画で、感想は「歩いても歩いても」とまったく同様(笑)

でこぼこな人生を送っているあたしには、今回もしっくりと刻まれた素晴らしい映画でした

それでなくても映画館のシートにすっぽりおさまる状況が好きなのに

いつまでもいつまでも映画館にいたくなる映画です

部屋に並んで貼ったポスターを見ているとなぜだかあたしは落ち着くのです

家族の物語。