本日のアロマ処方 ~ペパーミント~
皆さまこんにちは!本日は薬局で一番人気の精油をご紹介したいと思います。ペパーミントです。先日も90歳を超えた患者さんが、ペパーミントをお買い上げくださり、現在もリピートしてくださっています。今まではおうちでお香を焚いていたそうですが、火を使うため注意が必要なのと、煙が気になる。とのことでお水でディフューズできるアロマオイルに興味を持たれたのがきっかけでした。おすすめは?と聞かれたので私は迷わずペパーミントをおすすめしました。その日はとても暑く、ペパーミントを1滴。 指に垂らして頭皮やこめかみにつけていただきました。使ったことがある方はご存知だと思いますが、ペパーミントを頭皮に塗ると、自分だけ冷房のきいたお部屋の中にいるくらい爽やかな風が通り抜けますよねその方も、うだるような暑さと、汗や体臭が気になっていたこと、日々のリフレッシュに。とペパーミントが手放せなくなったと喜んでいらっしゃいました。詳しくご紹介していきます。まずはちょっと難しいお話。ペパーミントは(英名:Peppermint、学名:Mentha x piperita L.)は、シソ科ハッカ属の多年草。和名はコショウハッカ、セイヨウハッカ。スペアミントとウォーターミントの交雑種です。主な成分は:ℓ-メントール、ℓ-メントン、1,8-シネオール ですが、メントールという成分はみなさんも聞かれたことがあるのではないでしょうか?ガムや歯磨き粉などにもよく使用されているので、初めて精油を試されるかたにもなじみやすい香りだと思います。私もこのペパーミントの大ファンで、とりあえずこれさえ持っていればたいていのことは乗り切れる気がします。だってだって見てくださいペパーミントの効能・効果、 頭痛やむかつき、吐き気を抑えます。、 気管支を広げて呼吸を楽にしてくれます。、 虫が嫌うので虫除けに使えます。、 優れた抗菌効果により、消臭に役立ちます。、 収れん作用があり、毛穴を引き締めます。、 ひんやりした感触、冷却効果があり、日焼け、ほてり、などを沈めます。、 脳の働きを活性化して頭の中をクリアにして、気分をリフレッシュしてくれます。、 眠気覚ましにも効果的、 抗菌効果があるため、ニキビにも効果的ね!!たいがいのことはいけそうな気になってきたでしょ?!でしょ?!ひとつずつ、詳しく解説していきたいと思います。ペパーミントの効能を語るときに欠かせないのが主成分であるℓーメントールです。はい。成分についてオタクうんちくです。読み飛ばしたいかたは、バッサリ読み飛ばしてください。↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ℓーメントールとは…(dじゃないのよ。ℓなのよー。)メントール (Menthol) は環式モノテルペン、アルコールの一種の有機化合物。IUPAC命名法の系統名は 2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノール (2-isopropyl-5-methylcyclohexanol)、母骨格がp-メンタンというIUPAC許容慣用名を持つため、そこから p-メンタン-3-オール (menthan-3-ol) という名称も誘導される。和名では薄荷脳という。メンスォール(メンソール、Menthol)とも呼ばれる。ハッカ臭を持つ、揮発性の無色結晶である。メントールにはいくつかのジアステレオマー、鏡像異性体がある。そのうちの l-メントールは歯磨きやチューインガムなどの菓子類、口中清涼剤などに多用されるほか、局所血管拡張作用、皮膚刺激作用等を有するため、医薬品にも用いられる。← 構造はこんなんペパーミントオイルで一番感じやすい効果。皮膚に接触したときのひんやり感。清涼感。それはこのメントールの効果です。実際に皮膚の温度を下げるのではなく、メントールは冷感を引き起こすTRPM8(トリップエムエイト)と呼ばれる受容体活性化チャネルを刺激します。TRPM8は末梢神経にあるたんぱく質からなる冷受容体で、冷たさセンサーとして、冷たさを感じています。ワクワクしますねー。してきましたねー。要するに、メントールは神経にある冷たいよーと感じるお仕事をしている場所を刺激して冷たいーと感じさせるということです。だから、体を冷やすわけではないのでご安心くださいそして次に、ペパーミントによる鎮痛効果です。私は急に頭痛が起こった時、すぐに鎮痛剤をのむのではなくて、ストレッチをしたり、ペパーミントオイルをくんくん嗅いだり、こめかみにつけたりして、頭痛がおさまるのを待ちます。ストレスや、極度の緊張、肩こり、天候などで起こっている頭痛のときは本当によく効きますし、リラックス効果もあるので、気が付いたら治っていたということもよくありますよ。この鎮痛効果にも主成分のメントールが関係しています。メントールは選択的にκオピオイド受容体というところに作用して鎮痛効果を発揮します。はい。また薬剤師的トキメキポイントきましたーオピオイド受容体は脊椎や脳の細胞表面にあり、少なくとも4つのサブタイプが存在すると言われています。その中で、κ(カッパ)オピオイド受容体は鎮痛、鎮咳、せん妄、幻覚などに関与すると言われています。因みに、あの!有名なモルヒネもμ(ミュー)受容体というオピオイド受容体に作用して強力な鎮痛効果を示すんですよ。痛み には3種類あります。侵害受容性疼痛 … ケガ、火傷、打撲、骨折 など神経障害性疼痛 … 神経の障害が原因で起こる痛み。 帯状疱疹後の痛み、糖尿病によるしびれや痛み、 神経を圧迫することで起こる痛み心因性疼痛 … 心理的、社会的要因によって起こる痛み ストレスなど心因的なことが原因で自律神経や内分泌系、免疫系に異常をきたし実際の症状がなくても 痛みを感じたり、実際の症状より強く痛みを感じてしまう状態えっと、趣旨からずれました。。。ここで分かったことは、ペパーミントの主成分であるメントールの作用で、鎮痛効果と鎮咳効果がもたらされる。ということですねー。そして、次に吐き気を止めてくれるのはなぜでしょう?これは、平滑筋に直接的に作用し、カルシウムイオンの調整を行って局所に鎮痙作用を発揮するからなんです。(平滑筋とは、自分の意志でコントロールできない自律神経下にある不随筋です。平滑筋は胃や腸、尿管、膀胱、子宮、血管など全身に 存在しています。これらの平滑筋が収縮したり弛緩したりすることによって体内の内容物を輸送したり、排出することができるのです。)と、いうことは。。。ストレスで胃が痛い。おなかが痛い。生理痛。消化不良。などなど、いろいろな症状に応用できそうです♪ドイツの小児科では、胃の不調にペパーミントとカモミールのブレンドティーが処方されることがあるそうです。病院にかけこんで、ハーブティーが処方されるなんて優雅で素敵ですよね。日本にもこんな病院が増えてくれればいいな。。。最後に、抗菌効果についてですが、これは大腸菌や黄色ブドウ球菌に対する抗菌作用が確認されています。(なんか急にはしょりましたが笑)なんで?なんでそんなにいろいろ効くの?ペパーミントってなんなの???という疑問にできるだけお答えすべく、つらつら書きましたが、まずはぜひペパーミントの精油を手に入れて、実際に体感してみてください!!!ドテラ社の精油はこちらから購入できます。https://www.mydoterra.com/sakurakirakirapharmasists/#/