泣いてる私を見て

彼と遥ちゃんが心配そうに

声をかけてくれた








「えっ!みさちゃん、泣いてる………どうしたの?」



「美紗…………?」



「ゴメンネ。ちょっと色々話してたら、美紗ちゃん、泣かせちゃった。ちょっとKくん、美紗ちゃん落ち着くまで、一緒にいてあげて。

今の話、Kくんに言ったことないでしょ?それ、ちゃんと伝えてあげたほうがいいよ。

子どもたちは私が見てるから、美紗ちゃん、さっきの話、Kくんにもちゃんと話しておいで」








玲さんは

事情を話すことなく

2人にしてくれた


玲さんに話した過去の気持ちを

彼にも全て話した








「美紗………手に持ってるのって指輪だよね?」



「そう。Aが選んでくれた婚約指輪…………。玲さんが、これは私のためにAが選んだものだから、私がお守り代わりに持ってて…って!しまっておいてもいいから…って。でも………Kは、あんまりいい気はしないよね?」



「そんなことない…………って言いたいけど、正直、指輪を美紗が持ってるってだけで、めちゃくちゃ意識してしまう。きっと、Aさんには一生敵わないし、俺の知らない美紗もたくさん知ってる。もう、嫉妬で狂いそうになる……………」



「えっ………、K………」



「ゴメン、今の忘れて!!わぁ〜、俺………めちゃくちゃカッコ悪いわ〜」



「そういう姿、私、好きだよ。じゃあ、Kのそういう姿みたくなったら、指輪出したら、いつも見れるかな」



「美紗……いじわるだなぁ」



「ウソ!そんなことしない。この指輪は、目につかないところにしまっておく」



「ゴメン………そんなつもりじゃなかったのに………なぜかAさんのことになると、冷静じゃいられなくなる」



「ねぇ………Kは、何で、私なんかと付き合おうと思ったの?」



「“私なんか”って言うな!美紗には、すっごい魅力があるの、気づいてないだろ?

バスで再会したとき、ある意味……一目惚れだったんだよ。

美紗の姿は、バス停からでも、すぐに分かった。中学生の時に会ったときより、キレイになってて、でも、どこか寂しそうで…。声をかけるのをちょっとためらうくらい、ミステリアス?な感じだった。

でも、勇気振り絞って声をかけたら、めちゃくちゃかわいい笑顔になって、そのギャップにやられた感じかな。

彼氏との事を相談されて、正直、チャンスだと思った。別れさせてやるなんて強気なこと言って……。俺も若かったからね。

こんな話するつもりなかったのになぁ………。あー、なんか恥ずかしい………。

まぁ、過去は変えられないし、やり直せるわけでもないから、過去がどうとかじゃなくて、俺はこれからの事を考えたい。これからは俺が美紗を幸せにしたい!」



「K…………ありがとう」








彼の言葉で

また泣いてしまった









「ゴメン、泣かせるつもりなかったのに……。

美紗、ほら、笑って!思いがけず、当時の俺の気持ちもぶちまけてしまって、めちゃくちゃ恥ずかしいし、でも美紗の気持ちも聞けたから、まぁ、良かったよ。美紗がスッキリした顔してるから、玲さんとも色々話せて、スッキリしたんでしょ?

子どもたち待ってるから、出かけようか!せっかく、髪も可愛くセットしてもらったんだし」








彼の当時の気持ちも聞けたし

私も思ってたことを話せて

とてもよかった