私は大手出版社等が毎月刊行する小冊子の類が好きである。
その中でも25日前後に書店に陳列されると思われる幻冬舎の「星星峡」が一番好きだ。作家や作品のラインナップが自分の好みに一番近いからである。
そこに連載されていたものに大幅な加筆をし出版したのが『スイートリトルライズ』だそうだ。
私は長い間「星星峡」を読んでいるが、この作品に関しては記憶が無い。
残念だ。
帯と表紙の雰囲気が気に入り購入した。
私としては、購入して正解だった。
主人公の岩本瑠璃子は、夫・聡と穏やかな結婚生活を営んでいる。
瑠璃子は主婦の傍らテディベア作家としても活躍している。趣味ではじめたテディベア作りが今では店を構えるまでになったのだ。
なんとも充実した結婚生活で羨ましい限り!と、自分と比較し思っていたが、外から見ればハッピーそうな夫婦にも、不満や不安は存在した。
夫婦生活の中で起こる小さな嘘。
なんとなくはじめてしまった小さな嘘。
それらを江國香織らしいタッチで表現した結婚恋愛小説だと思う。
ただ、この作品については賛否両論あると思う。
既婚者が主役の作品で恋愛や夫婦間での嘘や秘め事を描く場合、どうしても好き嫌いが生じるし、読んでみて不満を抱く人も多いかもしれない。
が、私はこの作品は、丁寧に夫婦生活を捉え、余計なデコレーションをすることなく描き、真っ直ぐに終わりにむかって続いていく筋書きが潔く好きである。
現実、夫婦だから永遠に二人で愛し合うもの・・・といった定義は、残念ながら今の世の中では通用しない。
そんな中で、こんな夫婦の在り方は、かえってリアルなのでは無いかと思った。
夫が自室で何をしているのか?
嫁が昼間何をしているのか?
それを1~10まで理解している夫婦など存在するのだろうか?
残念なのは、帯に印字されているキャッチと内容がうまく結びついていない気がしたところ。そのキャッチを見て期待したような内容は、読み終えた時には得られなかった。
物語の終わり方もあっけなく、もう少し余韻のようなものが欲しかった気もする。
また、物語の流れ(起承転結というのが正しいのかわからないが)が定番化してきているような感じをうけた。それが江國流ということなのかもしれないが。
<幻冬舎 2004年発行>
著者: 江國 香織
タイトル: スイートリトルライズ
その中でも25日前後に書店に陳列されると思われる幻冬舎の「星星峡」が一番好きだ。作家や作品のラインナップが自分の好みに一番近いからである。
そこに連載されていたものに大幅な加筆をし出版したのが『スイートリトルライズ』だそうだ。
私は長い間「星星峡」を読んでいるが、この作品に関しては記憶が無い。
残念だ。
帯と表紙の雰囲気が気に入り購入した。
私としては、購入して正解だった。
主人公の岩本瑠璃子は、夫・聡と穏やかな結婚生活を営んでいる。
瑠璃子は主婦の傍らテディベア作家としても活躍している。趣味ではじめたテディベア作りが今では店を構えるまでになったのだ。
なんとも充実した結婚生活で羨ましい限り!と、自分と比較し思っていたが、外から見ればハッピーそうな夫婦にも、不満や不安は存在した。
夫婦生活の中で起こる小さな嘘。
なんとなくはじめてしまった小さな嘘。
それらを江國香織らしいタッチで表現した結婚恋愛小説だと思う。
ただ、この作品については賛否両論あると思う。
既婚者が主役の作品で恋愛や夫婦間での嘘や秘め事を描く場合、どうしても好き嫌いが生じるし、読んでみて不満を抱く人も多いかもしれない。
が、私はこの作品は、丁寧に夫婦生活を捉え、余計なデコレーションをすることなく描き、真っ直ぐに終わりにむかって続いていく筋書きが潔く好きである。
現実、夫婦だから永遠に二人で愛し合うもの・・・といった定義は、残念ながら今の世の中では通用しない。
そんな中で、こんな夫婦の在り方は、かえってリアルなのでは無いかと思った。
夫が自室で何をしているのか?
嫁が昼間何をしているのか?
それを1~10まで理解している夫婦など存在するのだろうか?
残念なのは、帯に印字されているキャッチと内容がうまく結びついていない気がしたところ。そのキャッチを見て期待したような内容は、読み終えた時には得られなかった。
物語の終わり方もあっけなく、もう少し余韻のようなものが欲しかった気もする。
また、物語の流れ(起承転結というのが正しいのかわからないが)が定番化してきているような感じをうけた。それが江國流ということなのかもしれないが。
<幻冬舎 2004年発行>
著者: 江國 香織
タイトル: スイートリトルライズ