今週日曜日、蔵王町の町議会選挙が行われた。その選挙で、誰もが予想しなかった、いとう東さんが当選した。本当におめでとうございます。

 いとうさんは脳出血の後遺症で、右半身の麻痺がある。横浜市内で学校の先生だった関係もあって、横浜市内でリハビリを行ってきたが、良くならなかったので、蔵王町に移り住み、農作業を行いながらリハビリに励んできた。右手はほとんど動かないが、いまでは自分で歩行できるまでに回復している。

 そのいとうさんが蔵王町の町議会選挙に立候補した。ほぼ自分一人で選挙活動を行っていて、ポスターも親戚の方が一人協力してくださっただけだった。仕方がないので、本人がポスターを張りに行くのだが、手が不自由なのでうまくいかない。そうしていると、それを見かけた町民がお手伝いしてくださるようになった。

 この様子が町民の間に口コミで広がった。本人の話では、選挙の後半は反応が変わってきていて、本人がマイクを握ると、立ち止まって話を聞く人が現れるようになったそうだ。蔵王町では、ほとんど浮動票がない。極端に言えば、選挙を行う前に結果がわかってしまうような町である。

 その蔵王町で、最下位ではあるけれど、いとうさんは当選を果たすことができた。いとうさんも立派だが、彼の活動を見て、彼に投票してくださった蔵王町民も素晴らしいと感じた。いとうさんは、自分のできることしかやれないけれど、全力で頑張りたいと抱負を語っていた。

 最後に、室内でリハビリを行うより、農作業の方がはるかにリハビリとしては優れているということだった。実践した本人の言葉なので、説得力があると感じた。蔵王町議会に新しい風を吹かせて欲しいと思っている。

参議院議員・医師 桜井充



【秘書のつぶやき】
 櫻井充秘書小林です。
 前々回の当コラムで病気の予防を訴えていたのにも関わらず、小生自身がダウンしてしばらくお休みを頂いておりました。まったく情けないことです・・
 さて、予算委員会の舞台が参議院へ移って参りました。衆議院で議論されていない新たな質問材料を探すのは大変で資料の山に埋もれています。各紙の世論調査を見ていると、アベノミクスに対する評価が大きく低下しています。またもや実感なき景気回復ということです。我が国のこの状況を打開するためには、雇用政策の見直し、社会保障や教育費等に対する国民不安を払拭させること、そして経済学者クリステンセンが述べている「破壊的技術」(例:真空管→半導体、固定電話→携帯電話等)をいかに生めるようにできるかだと考えています。その鍵は科学技術と高い教育水準にあると思うのですが、科学技術・教育予算は全く足りていないうえ、企業にしても技術や人材への投資が不足しています。今こそ、人への投資です。
 小生も前職から当事務所に転職していつのまにか10年目となりましたが、今回の予算委員会は10年間の集大成と思い、全力で準備して参りたいと思います。(小林太一)