◇打つ手なし
日銀がマイナス金利政策を打ち出した。その日の株価は乱高下したが、マイナス金利の意味するところが分からないから、あのような反応になったのだと思う。
さて、マイナス金利とはどのようなものなのだろうか。現在は、民間の金融機関が日銀の当座預金を積んでおくと、日銀から民間金融機関にいくばくかの金利が支払われる。ところがマイナス金利になると、民間の金融機関が日銀に対して、口座管理手数料のような名目で、お金を支払う事になるのである。
当然のことだが、民間の金融機関には日銀に預けておくメリットがなくなり、日銀からお金を引き出してどこかで運用しなければならなくなる。そのため貸し出しが増えると日銀は考えている。
しかし現在、民間金融機関から企業に対する貸出金利は史上最低だ。その理由は、借り手がいないからである。借り手がいない理由は、企業が国内での設備投資に二の足を踏んでいることもあるが、豊富に内部留保を抱えているために、わざわざ金融機関から借りる必要性がないからである。
一方、中小企業はお金を借りたいと思っているのだが、リスクが高いという理由で、貸し出しを敬遠されている。このことから分かるように、民間の金融機関から企業に対して貸し出しが増えないのは、日銀の責任ではないのである。
そうなると、問題は日銀から引き出されたお金がどこに回るのかだが、結論から言うと、国債を買うか株などのリスクの高い商品に手を出さざるを得なくなるのである。これでは、株価が上がる可能性はあるのだろうが、実体経済は良くならない。
また、国内外の金利差が生じるので、円が売られ、円安に誘導されることになる。そうなると、やはり株価は上がるかもしれないが、同時に輸入物価も上がるため、国民生活はさらに苦しくなる。
もう一点付け加えておくと、民間金融機関は日銀に対してお金を支払う事になるので、当然利益は減少する。そうなると、預金金利はさらに低くなり、預金者にとっては、むしろマイナスの影響の方が大きくなる。
マイナス金利は、副作用の方が強い政策である。このようなことまでおこなって、物価を無理に引き上げる必要はない。日銀がもがけばもがくほど、経済は悪くなっているような感じがしている。この点に関しても、予算委員会で追及していきたい。
参議院議員・医師 桜井充
【秘書のつぶやき】
櫻井充秘書小林です。
元有名プロ野球選手が覚醒剤所持の疑いで逮捕されました。覚醒剤は使用するたびに効果は減り、常習者はより強い刺激があるものを求める傾向があります。気分が高揚した後の気分の落ち込みを防ぐためにまた摂取する、という悪循環に陥り最終的には廃人になります。
ところで、日本銀行がマイナス金利政策を導入しました。しかしそもそも、まずは、追加緩和政策とはなんだったのかを総括すべきだと思います。これまでの景気回復は単純にアメリカ経済や中国経済などの外部要因がよかっただけではないでしょうか。GDPは伸び悩み、実質賃金が減り続けているうえに個人消費も減っているという現状をしっかり直視すべきです。株価も政策決定会合が行われていた時間の株価以下に下落しています。
現在の中央銀行が行っている政策は、気分、いや、株価の落ち込みを防ぐためだけの単なる覚醒剤的な政策です。市場はより強い刺激がある政策を求めますが、だんだん慣れていき、最終的に手に負えなくこととなるのではないかと思います。パリバショック後と現在の日経平均株価の推移が大変似ていることは単なる偶然なのでしょうか?(小林太一)
日銀がマイナス金利政策を打ち出した。その日の株価は乱高下したが、マイナス金利の意味するところが分からないから、あのような反応になったのだと思う。
さて、マイナス金利とはどのようなものなのだろうか。現在は、民間の金融機関が日銀の当座預金を積んでおくと、日銀から民間金融機関にいくばくかの金利が支払われる。ところがマイナス金利になると、民間の金融機関が日銀に対して、口座管理手数料のような名目で、お金を支払う事になるのである。
当然のことだが、民間の金融機関には日銀に預けておくメリットがなくなり、日銀からお金を引き出してどこかで運用しなければならなくなる。そのため貸し出しが増えると日銀は考えている。
しかし現在、民間金融機関から企業に対する貸出金利は史上最低だ。その理由は、借り手がいないからである。借り手がいない理由は、企業が国内での設備投資に二の足を踏んでいることもあるが、豊富に内部留保を抱えているために、わざわざ金融機関から借りる必要性がないからである。
一方、中小企業はお金を借りたいと思っているのだが、リスクが高いという理由で、貸し出しを敬遠されている。このことから分かるように、民間の金融機関から企業に対して貸し出しが増えないのは、日銀の責任ではないのである。
そうなると、問題は日銀から引き出されたお金がどこに回るのかだが、結論から言うと、国債を買うか株などのリスクの高い商品に手を出さざるを得なくなるのである。これでは、株価が上がる可能性はあるのだろうが、実体経済は良くならない。
また、国内外の金利差が生じるので、円が売られ、円安に誘導されることになる。そうなると、やはり株価は上がるかもしれないが、同時に輸入物価も上がるため、国民生活はさらに苦しくなる。
もう一点付け加えておくと、民間金融機関は日銀に対してお金を支払う事になるので、当然利益は減少する。そうなると、預金金利はさらに低くなり、預金者にとっては、むしろマイナスの影響の方が大きくなる。
マイナス金利は、副作用の方が強い政策である。このようなことまでおこなって、物価を無理に引き上げる必要はない。日銀がもがけばもがくほど、経済は悪くなっているような感じがしている。この点に関しても、予算委員会で追及していきたい。
参議院議員・医師 桜井充
【秘書のつぶやき】
櫻井充秘書小林です。
元有名プロ野球選手が覚醒剤所持の疑いで逮捕されました。覚醒剤は使用するたびに効果は減り、常習者はより強い刺激があるものを求める傾向があります。気分が高揚した後の気分の落ち込みを防ぐためにまた摂取する、という悪循環に陥り最終的には廃人になります。
ところで、日本銀行がマイナス金利政策を導入しました。しかしそもそも、まずは、追加緩和政策とはなんだったのかを総括すべきだと思います。これまでの景気回復は単純にアメリカ経済や中国経済などの外部要因がよかっただけではないでしょうか。GDPは伸び悩み、実質賃金が減り続けているうえに個人消費も減っているという現状をしっかり直視すべきです。株価も政策決定会合が行われていた時間の株価以下に下落しています。
現在の中央銀行が行っている政策は、気分、いや、株価の落ち込みを防ぐためだけの単なる覚醒剤的な政策です。市場はより強い刺激がある政策を求めますが、だんだん慣れていき、最終的に手に負えなくこととなるのではないかと思います。パリバショック後と現在の日経平均株価の推移が大変似ていることは単なる偶然なのでしょうか?(小林太一)