帰りたくない
と、泣きながら
繰り返すリサに
最初は
今まで辛かったよな。
ごめんな、リサ…
って
抱き寄せて謝罪した父親。
その後で祖母と
嘘つきなリサの妹の
言い分を聞いて
親戚宅が嫌なら
施設に入れると言い出した。
家族の改善より
放り出すことを簡単に選ぶ。
家事を失敗したり、
言い付けを忘れると
アンタ、
そろそろ死んでくれる?
と、暴言を浴びせる
リサの母親に
何も言えないリサの父親。
連れ帰ろうとする前に
まずはリサが
どうして帰りたがらないか
二人で話し合って
結果を教えて下さいって
伝えてから4日間、
何の音沙汰もなかったのに
何故、いきなり
リサとの話し合いを望むのか
不思議でならなかった。
母親は一度も顔を見せず
自分の姉を使って
リサにメールをよこしたり
自らも
今、帰って来たら
許したるゎ
そろそろお金が尽きたやろ?
帰って来なさい
私が仕事から帰宅したら
ぁんたが帰ってるって
信じてるで
こんなlineを送ってくる。
着信も20件近く残す。
どれをとっても
私には
脅しのような恐怖を感じる。
恐怖を感じながらも
幼稚な文面にため息が出る。
こんな文字で
こんな内容を書く人に
リサは苦しめられてきたのか
怒りが増してくる。
lineのサインが出るだけで
震えながら
泣いている姿を
きっと知らない。
リサの父親が帰った翌朝、
まだ7時半前だと言うのに
ドアチャイムが鳴った。
父親が立っていて
色々話し合いまして
母親が泣きじゃくりながら
一目リサに
会いたいと言っているので
リサに来て欲しいんです。
通帳も渡すので
少しだけお願い出来ますか?
と言うので
登校前にすることではないと
拒否したけど
学校があるので
本当に少しだけです。
すぐ帰します。
と
食い下がる父親。
保護者のサインが必要な書類を
学校に提出しなければ
ならなかったこともあり、
仕方なく要求に応じた。
とても長く感じた15分程の時間。
ドアが開いて
怒りながらも泣いているリサが
荷物を全てもってこいと
言われました。
持ってきたら書類を渡すと…。
と、言う。
やられた!
簡単に騙す親って何!?
リサには
学校に必要な物だけ持つように
指示をして
既に
登校用意が済んでいたモモに
ボイスレコーダーを持たせ
同行させた。
とりあえず私は、
蓬に登校準備をさせながら
時折玄関の外に出て
真向かいの一階にある、
リサの家を見ながらも
蓬に声を掛けて用意を促す。
モモ、頼むよ…。
今はモモが頼り。
無事出てこれるかな。
と、思ったら
廊下を走る二人が見えた。
モモ!行けた!?
問いかける私に
モモが返事をした。
リサの自転車置き場に
向かう姿を見送って
中に入り、
また蓬の用意を確認していたら
マンションの
フロアから繋がる
インターフォンにモモが写った。
ママ!!今すぐ来て!!!
リサの親が捕まえてる
と、悟り慌てて家を飛び出した。