櫻葉❤
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櫻葉❤Yes No|櫻と葉っぱの物語❤ (ameblo.jp)
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Side S
ーーー・・・
「ん?なに?」
「っいや。なんでも」
夏真っ盛りの真昼間の部活終わりの部室は、
今日も変わらずやっぱり暑い。
着替えてる最中だとわかっていても、
空いてる窓を閉めようなどとは、誰も思ってはいないようだった。
そうして、隣で砂埃まみれのTシャツを脱いだ、
上半身ハダカのニノの身体を無意識にまじまじと見てしまって、
おまけにそれをニノに気づかれてしまった。
ニノはニヤリと笑うと
脱いだTシャツで胸のあたりを隠すような仕草をして肩をすくめると
「ヤラしぃ目つき」
と、なぜかどこか嬉しそうに言った。
「バカ言うな」
焦って、そうしてだからこそ、ムキになる。
すると
「翔ちゃんになら抱かれてもいいよ」
なんてさらに冗談を言うから
まるで瞬間、一気に発熱して、
「ヘンなこと言うなっ」
思わずデカい声が出て怒鳴るみたいな言い方になる。
一瞬、その場の空気が確実にピリリとして、
ニノも驚いたって顔をした。
「冗談だよ~」
ニノが笑いながらそう言って和ませてくれたけれど、
俺はもうなにかを言えるほどの余裕がない。
タオルで汗を拭きとるふりをして、顔を覆った。
ニノのカラダ、、、というか、
なんなら部活終わりには部員の全員がここで着替えるわけだから、
言ってしまえば男の裸なんて見飽きるほど見てきている。
けれどもいままで、
そんなものに興味どころか、気にも留めたことはなかったし、
、、、あるとしたら体格の差を比較して、
もっと筋肉つけようとかそういう類のものくらいだ、、、
あんな「感じ方」をしてきたことはないハズだった。
ニノの身体は決して大きくはないけれど、
薄い筋肉がついた綺麗な身体をしてると思う。
けれど、思うのはそのぐらいだ。
だからたぶん、
自分は男相手に「そういう気持ち」にはならないハズなのだ。
それなのに、、、
どうして雅紀にはあんな気持ちになるんだろう。
雅紀にだけ、なんだかトクトクっとするのだ。
全身が脈打って明らかに、、、
「はぁ、、、」
無意識にため息をつくと
「翔ちゃん、どした?」
ニノが少しおどけながら、けれどもどこか
確実におかしいってことを感じてる目つきでこちらを見つめる。
「、、なんでもねぇ」
ウソはあまり好きではない。
それも自分の一番の友達相手に。
けれどもいまは、
それしか言えなかった。