Yes No 27 | 櫻と葉っぱの物語❤

櫻と葉っぱの物語❤

櫻葉❤
ときどき大宮☆

こちら側の方のみいらしてください☆

【2017年11月開設】

ファン歴非常に浅いため、
諸所おかしなところがあるかもしれません。

ご愛嬌と優しく許してくださったら幸いです。

【お話の内容転写利用、画像利用などお断りします】

櫻葉❤

 

 

 

 

ご理解ある方のみおすすみください☆

 

はじめましての方へ→ こちらへ

 

 

 

 

 

 

 

 

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Side S

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ明るい時間にこのお泊り会のメインだった花火を終わらせると、

 

 

夕飯は雅紀の母親がつくるのかと思いきや、

 

なんと寿司とピザという妙な組み合わせの豪華な夕飯が、

 

雅紀の部屋に用意されていた。

 

 

高校生が友達の親と一緒にメシを食べることがどこか気まずいことを、

 

雅紀の親はよくわかってくれているのだと思った。

 

 

 

夕飯の後、ようやく二人で一応、勉強らしきことをする。

 

といっても参考書とノートは開いたものの、

 

二人して互いの話しに夢中でほとんど勉強になんてならなかった。

 

 

一番に風呂に入らせてもらうと今度は二人、

 

雅紀の部屋でスイカを食べて、

 

気づけばあっという間にその日が終わりを迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー・・・・・・・・・・

 

ずいぶん見慣れてきた電気の消えた薄暗いその部屋の中で、

 

 

「なんか修学旅行みたい」

 

 

ふふふっと笑いながら雅紀はとても楽しそうに言って、

 

その声がずいぶんと近くて思わずそっちに視線を向ける。

 

視線が絡めばドキリとして全身がかたくなって、慌てて視線を逸らすと

 

はははっとわざとらしくどこか大げさに笑った。

 

 

「お前までこっちじゃなくてもいいのに」

 

 

雅紀の部屋には決して大きくはないベッドが一つあって、

 

けれども今夜、雅紀はそれを使わず、いま、

 

わざわざ床に布団をひいて、俺の隣で並んで寝ているのだ。

 

 

「あ~今日すげー楽しかった」

 

 

雅紀はあまりにも素直に、なんの濁りもない声でそう言って、

 

それに俺は単純に嬉しい。

 

 

「ん。俺も」

 

 

うそじゃない。

 

ウソではないが、俺のはどこか奇妙な陰りがあるように思う。

 

 

「やっぱしょうちゃんを誘ってよかった」

 

 

薄い布団にくるまって、雅紀の瞳がキラキラ光る。

 

その眩しいヒカリに、何かを勘違いしてはいけないと言い聞かせる。

 

 

「ありがとな。花火とかけっこう久々だったし、

 

プールとかまじ、恥ずかしいくらい楽しんでたわ」

 

 

自分の中にだけある不透明ななにかが伝わらないよう気を配りながら、

 

今日のあまりにはやく過ぎていった一日を振り返りながらそう言うと、

 

雅紀はまた一緒にプールに行こうねと言った。

 

 

「ああ」

 

 

途端、水着姿の濡れた雅紀の後ろ姿が頭ん中に浮かんで、

 

俺のナカのその濁りが一瞬、濃くなった気がした。