Yes No 24 | 櫻と葉っぱの物語❤

櫻と葉っぱの物語❤

櫻葉❤
ときどき大宮☆

こちら側の方のみいらしてください☆

【2017年11月開設】

ファン歴非常に浅いため、
諸所おかしなところがあるかもしれません。

ご愛嬌と優しく許してくださったら幸いです。

【お話の内容転写利用、画像利用などお断りします】

櫻葉❤

 

 

 

 

ご理解ある方のみおすすみください☆

 

はじめましての方へ→ こちらへ

 

 

 

 

 

 

 

 

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Side S

 

 

 

 

 

 

 

 

二人して予備校を出ると、二人してコンビニでアイスを買う。

 

雅紀と一緒の帰り道は

 

心なしかいつもよりゆっくり歩いてる自分にさすがに気づき始めてる俺は、

 

雅紀の質問に雅紀の方を見ないようにして頷いた。

 

 

「明日オレんち来ない?」

 

「え?」

 

 

反射的に雅紀の方を向くと、思ってる以上に近い距離に雅紀がいてドキリとする。

 

 

「キャンプに行ったときに買った花火がいっぱい余ってるんだ」

 

 

先週、雅紀は家族でキャンプに行ってきたことを知っている。

 

焼けてるとはいえ俺よりずっと白い肌だったのが、

 

いまはかなり黒くなっているのがその証拠だ。

 

 

「一緒にやらない?花火」

 

 

誘ってくれたのが自分だったってことに俺は明らかに嬉しくて、

 

そうしてトクトクっと全身が妙な音を立てる。

 

 

「いいね」

 

 

その音をなかったことにするみたいにどこか大げさに笑いながらそう言えば、

 

笑顔の雅紀はもっと笑顔になった。

 

 

「良かった。何時ごろ来れそう?」

 

「ん~。部活は午前中には終わるからそのあとなら何時でもいいけど」

 

「ホント?じゃあお昼から遊ぼうよ」

 

「いいぜ」

 

 

嬉しいくせに、俺はどこか慌てて雅紀から視線を逸らした。

 

 

身体中に走る妙なトクトクは決してイヤな感じではない。

 

ただ、少し戸惑う。

 

なんていうか、それはとても戸惑う音だからだ。

 

 

「泊まってく?」

 

「っえ?」

 

 

思わず叫ぶみたいな声になって、口のナカにあったアイスをゴクリと飲み込んだ。

 

驚く俺に雅紀も驚いた顔をしてる。

 

 

「花火やるのって夜だから」

 

 

雅紀は首をかしげながら小さくそう言って、クリっとした目をパチパチっとした。

 

 

「もちろん、しょうちゃんがイヤじゃなければだけど」

 

 

手元のアイスが溶けて手のひらを濡らしてることに気づかずに、

 

俺はもう一度ゴクリと喉を鳴らした。

 

 

トクトクがドクドクになっている。

 

 

ダチの家に泊まったことくらい、何度かある。

 

それなのに、動揺が過ぎる自分に動揺する。

 

どうにかそれを隠したくて、、、きっと隠せてないんだろうけど、、、

 

やっぱり雅紀から視線を外した。

 

 

「、、ん。親に聞いてみる」

 

「ん。わかったら教えて」

 

 

おぅと小さく呟くように言うと、溶けだしてるアイスを一気に口に放り込んで

 

それをゴクリと飲み込んだ。