Yes No 14 | 櫻と葉っぱの物語❤

櫻と葉っぱの物語❤

櫻葉❤
ときどき大宮☆

こちら側の方のみいらしてください☆

【2017年11月開設】

ファン歴非常に浅いため、
諸所おかしなところがあるかもしれません。

ご愛嬌と優しく許してくださったら幸いです。

【お話の内容転写利用、画像利用などお断りします】

櫻葉❤

 

 

 

 

ご理解ある方のみおすすみください☆

 

はじめましての方へ→ こちらへ

 

 

 

 

 

 

 

 

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Side S

 

 

 

 

 

 

 

 

「で?」

 

 

部活終わりのガヤつく部室で、上半身裸のニノが言う。

 

 

部室にはクーラーはなくて、

 

扇風機と小型クーラーがいくつか置いてあるだけだ。

 

だから部活後、俺たちは我先にそれらの前に陣取っては、みんなそこから動けない。

 

俺とニノもようやく着替えようと、ロッカーの前にやってきたところだった。

 

 

「で?、、とは?」

 

「だからテスト」

 

 

ああ、、、と心の中で思いながら、

 

「で?」だけでわかるか?ふつー、、、とも思ったし、

 

なぜだか同時に、それがテストのことだろうとわかっているような気もした。

 

 

「なんとかテスト。受けたんでしょ?どうだった?」

 

 

ニノが言ってるのは昨日、人生で初めて受けた基礎力判断テストのことだ。

 

 

俺は首をかしげて両手を広げると、視線をどこか遠くへ向ける。

 

それは「まったくわからんかった」という意味だったけど、

 

ニノはははっと笑って、自分の気持ちがちゃんと伝わったことがわかった。

 

 

「ただ疲れただけ」

 

 

ちょっと思い出してもぐったりする。

 

午前中から始まったそのテストは

 

お昼を挟んで5教科をまるっと一日で一気にテストするって経験だった。

 

 

俺はそれが「初体験」だったわけだけれども、

 

わずか1時間しかない、その日の唯一オアシスであろう昼食すらも

 

友達と呼べるヤツが独りもいない中ではとても落ち着けなくて、

 

とにかく「疲れた」のだ。

 

 

「まぁ翔ちゃんは大丈夫」

 

 

新しいTシャツを着終わったニノはこちらを見ずに、どこか余裕そうに言う。

 

 

「なんだそれ」

 

 

笑いながら、

 

ニノとほとんど同じタイミングで着替え終わった俺は、

 

視線を交わさないままで無造作に

 

脱ぎ終わったTシャツをぐいぐい鞄に詰め込む。

 

 

笑ってはいるものの、ぶっちゃけ少し焦っている。

 

 

夏休みに入ってもいまだ、高校の勉強には追い付けていなくて、

 

おまけに、テストは5教科とも、たいしてわからなかったからだった。