櫻葉❤
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Ｓｉｄｅ S
月明りは無くても
なぜか空が明るい気がした。
相変わらず何も言わずに
窓から空を見上げてる雅紀。
さすがに気づく。
お前ってときどき
そうして夜空を見上げて
何とも言えない空気を漂わせるよな、、、
お前、、、
今いったいなにを思ってんの？
「、、、、、」
雅紀の、、、綺麗な横顔を
横目でちらりと眺めて、、、
なぜだろう。
目線を外して目を閉じた。
最近、さらに色っぽくなった。
と、思う。
雅紀を見る自分の目がヨコシマなことは重々承知で。
それでも
その漂う艶っぽさの濃度が増していると感じるのは、
気のせいじゃないだろう。
そして、、、
突然不安になる。
その艶っぽさのワケは、、、なに？
年齢？
積み重ねた経験値？
それとも、、、
それとも、、、？？？
俺はなにを考えてんだ？
ーーお疲れさまでしたーー
マンション前で二人。
車を降りる。
同じ部屋に帰るようになって
もうどれくらいたつんだろう。
なんとなく
雅紀の前を歩く。
いつもそう。
雅紀は少し
俺の後ろを歩いてくる。
そう。
いつもと同じ。
いつもと同じはずなのに、、、
なんだろ、、、変な感じだ。
「しょうちゃん」
「、、、え？」
エレベーターの中で
二人きり。
なのに、、、
距離間がぎこちない。
、、、ぎこちないのは自分。
突然呼ばれて振り返れば
雅紀の瞳は
一瞬。
やっぱり金色に光った気がした。