何も身構えていないとき
ふわりと匂う
懐かしい匂い
懐かしい誰かの香り

心の奥底にしまっていても
一瞬で蘇る
無意識に振り向いた自分が憎い
記憶に振り回される自分が嫌い

匂いひとつで
崖に立たされたくらい
悲壮な気持ちになる私

身構えていられたら
いいのに
いつでも武装して
心を守れたら
いいのに

ふわりと漂う
夢の亡霊
もう現れないで
そっとしておいて

まとわりつく
匂いと記憶
誰かたすけて…