『それに、あすこには、こんな別嬪さん一人もいませんです。つまらないですね。』

 アレキサンダー君は、さう云いながら、私達の卓子テーブルを囲んで集まった、各自国籍の異るらしい四五人の女給の中で、一番器量良しの細い眼をした、金髪の少女の頤を指でつついたものだ。

『マルウシャ! 日本人の小説を書く人に惚れています。――マルウシャ、云いなさい!』

 その少女の噂は、私も既に聞いていた。彼女は私に、××氏から貰ったのだと云う手巾ハンカチを見せたりした。

 それから彼女は、アレキサンダー君と組んで踊った。ストーヴの傍にいた家族の者らしい老夫婦が、ヴァイオリンと竪琴ハープとで[#「竪琴とで」は底本では「堅琴とで」]それに和した。私はエビス・ビールが我慢出来なかったので、酒台のところに立って火酒ウォトカを飲んだ。

 若い時分には、可なりの美人だったらしい面影を留めている女主人が、酒をつぎ乍ら私の話相手になってくれた。





 いいよ 君が死ねば僕だって死ぬよ



















『PR』
マークジェイコブス 通販格安通販サイト
ダイエット食品通販格安通販サイト
ヤーマン脱毛器格安通販サイト
高低反発マットレス格安通販サイト
雑穀米格安通販サイト