今年6月から施行されている、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)という法律があります。(下記*参考*参照)


これは外来種に対する飼養を制限することにより、日本の古来種・生態系を守ろうという趣旨らしいです。

最近テレビで危険だと思われる爬虫類・無脊椎動物などが次々捕獲されています。
こういうことが続くと、法律がより厳しくなり、飼養者の管理能力が問われます。
しかし、これは一見良いことのように思われますが、「人に言われないと出来ない」という、日本人のモラル低下を象徴しているとも言えます。


現在は特定外来生物として指定されてない動物でも、現在検討中という種類はかなりあります。(下記*参考*参照)
フェレットやシマリスなどもこれに含まれています。

指定動物になると、現在飼っているものについては、その一代に限り「許可を受けて」買うことができますが、当然繁殖はできません。
(フェレットは殆どが元々虚勢・避妊されたものですが…)

飼養者ひとりひとりがモラルをもって、きちんと管理する必要があるでしょう。


ちなみに、規制対象(検討含む)には含まれていませんが、特定の島などの固有種が、外部(国内)から持ち込まれた犬や猫のために絶滅に瀕している事実もあります。
こういうことを踏まえると、この法律が改正や発展して、特定地域においての規制として犬猫を飼うことも許可制・免許制になっていく可能性はなくはないのでは…という考えまで頭をかすめます。
(なかなか犬猫規制は難しいでしょうし、そこまで話が行くことはほとんどないと思いますが、全くあり得ないとも言い切れないと思います)


テレビで、野良化したアライグマを捕獲している映像とともに、これらの動物は薬殺される…ということも言われました。
動物園で飼うことも難しいでしょうから、このケースだけを捉えれば仕方が無いこと、ということになるのでしょう。
しかし、これらの動物たちは、すすんで野生化・繁殖した訳ではありません。
それ以前にきちんと管理や措置をとらず、事態を放置していた結果、無駄に死ななければならない命となってしまったのです。

ヒステリックだと言われるかもしれませんが、私たち日本人が招いた罪であることは事実です。

段々「いのち」に対する意識が希薄になっている世の中の流れが、私には恐ろしいです。
憲法改正や立法・法律改正の流れ(風潮?)なども、だんだんキナ臭くなっているような気がしてなりません。

…もっと、日本人一人一人が誇りや良識を持ち、自立して本当の意味で「大人」にならなければいけないのではないでしょうか。


お仕着せの政治や世論を享受しているうちに、気がつけば後戻りできない恐ろしい事態になっているかもしれません。

その前に、せめて自分の意見が言えるように。

知識や教養を身につけておくことも大切かもしれないと思ったのでした。


***参考*****************************


★特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)

http://www.env.go.jp/nature/intro/y_list_honyu-tori.html

●外来生物被害予防三原則 (http://www.env.go.jp/nature/intro/5sangensoku.html
~侵略的外来生物による被害を予防するために
1.入れない ~悪影響を及ぼすかもしれない外来生物をむやみに日本に入れない
2.捨てない ~飼っている外来生物を野外に捨てない
3.拡げない ~野外にすでにいる外来生物は他地域に拡げない

●概要(http://www.env.go.jp/nature/intro/2gaiyou.html


●外来生物の手続き(http://www.env.go.jp/nature/intro/6tetuzuki.html
「2005年6月1日(法律が施行される日)より前から愛がん(ペット)・観賞目的で特定外来生物を飼養等している場合は、その個体に限り
飼養等の許可を受けることができます。」


●特定外来生物(http://www.env.go.jp/nature/intro/syukaisetu.html
指定されている哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、昆虫類、無脊椎動物、植物が公表されています。


●検討されている生物(http://www.env.go.jp/nature/intro/y_list_honyu-tori.html

・被害に係る一定の知見はあり引き続き特定外来生物等への指定の適否について検討する外来生物
インドクジャク、アカミミガメ、ニジマス、カワマス、グッピー、クワガタムシ科、チャイロネッタイスズメバチ、アメリカザリガニ、ムラサキイガイ、
ホテイアオイ、セイタカアワダチソウなど、意外に身近にいる生物が検討されています。


・被害に係る知見が不足しており、引き続き情報の集積に勤める外来生物
ちなみにフェレットは、「生態系(競合・駆逐、捕食) 海外では、野生化した個体による鳥類の卵・雛などの捕食が報告されており、愛玩飼養を禁止している国もある。
我が国への輸入個体は、ほとんどが去勢・不妊、臭腺除去手術が施されている。
去勢、不妊を確実に実施している個体を飼育するよう配慮すべきであり、飼養に当たっては、野外への遺棄、逸出逸出等がないよう十分注意して管理すべきである。」
と、されています。


他には、リスザル、シマリス、ワニガメ、グリーンイグアナ、アフリカツノガエル、ヨーロッパナマズ、ナイルパーチ、タイワンドジョウ、アカボシゴマダラ、
タテジマフジツボ、シナハマグリ、ムラサキカタバミ、ハルジオンなどの動植物が候補に入っています。