今年高校を卒業予定の娘が
生まれたときのお話だから、
もう18年も前のこと。
でも今でも、鮮明に覚えていること。
救急車が産院に着いたとき、
真冬真夜中寒空の下、
医師ふたりと助産師さんが
玄関の前で待っていてくれた。
少し雪も降っていたかもしれない。
「立てる?」
立ったらなにかがドロっと出た感覚。
床にドロドロの赤いやつが落ちた。
軽くまたパニック。
大丈夫だよ!
産科医が叫んだ。
ホッとした。
エコーの結果やはり早剝で、
「赤ちゃん苦しがってるから、
すぐに出してあげようね」。
あっという間に手術室へ。
でも、待てど暮らせど手術が始まらない。
なんで?
赤ちゃんの心音モニターは手術に必要ないようで、
早々に外してある。
怖い。
赤ちゃん、生きてる?
助産師さんが私の表情を見て、
遅いねー
でも私も今採血手間取ってるからちょうどいいわー、あっはっは!
なんて、
つられて笑った。
この助産師さんも、恩人だと思った。