「生きる技法/安冨歩」を読み、自愛がベースとなる社会を考える。

生きる技法
生きる技法
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安冨 歩
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考えついたのは、今の社会は自己愛の拡大によって、「地縁」からの自由を獲得し、その結果、自愛をベースに生きる事のできる社会になったのではということ。

自己愛によって、国家主義、資本主義が起こり、社会を変え、その結果、個人が地縁から独立したと言えるのではないか、そんなことを柄谷行人のアソシエーショニズムと繋げながら考えた。(ブログの図参照

つい最近(村上龍氏によれば1995年)日本はやっと近代化して、その結果、「個人」の時代になったと思っていたら、更に進んで、自愛、アソシエーショニズムの世界が見えてきているぞ、となっている。

自愛をベースに生活ができる、社会ができることはすばらしいと思う。しかし、一方では大きな変化でもある。ここ20年くらいで、3つの価値観(近代化以前、近代化後、その先)が変わっているとすると、混乱が起きても仕方がない。「今」はそんな時なのかもしれない。

「生きる技法/安冨歩」の内容は実感として同意、共感できるものだった。自愛について考えると、自愛をベースに考えることができる今の時代にいることの幸せを思うともに、本当に変化のスピードが本当に早いなと感じた。3つの価値観が混在する、本当に複雑な社会になってきたなと思う。

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