My sweet home 第二部 《act.2》 あなたとデート



金曜日。


普段ならお互いに学校があるのに・・・・

蓮の、ううん。

クオンのお父さんがアメリカへ帰るからと、空港に一緒にお見送りへ行った後

クオンに、デートのお誘いを受けた。


蓮の姿に戻ってしまったら・・・・・

なかなかデートができないことは知っている。


だから―――――――

私も、とても喜んで楽しもうと思っていた。


着いた所は・・・・・・

私が行ってみたかったところ

『東京デズニーシー』だった。




*




空港へ行った後だったから、もう開園していたのだが

平日って事もあり、あまり待つことなく入場できた。


一歩中に入ると・・・・・

大きな地球が回っている。



「すごぉ~~~いっ!!!!!」



あまりの大きさに、私は駆け寄って見ていた。


すると・・・・・



「・・・・・・人が多いんだから、あまり一人で行かないで??

はぐれちゃったら大変だろ??」



近くまでクオンが着てくれて、優しく言ってくれた。



「まだ中は広いんだから、そろそろ他のところも行こうか?キョーコ。」



こう言って、私の右手をさりげなくつないでくれた。



「うんっ!!!!」



二人手をつないで歩き出す。


両側に店舗が並んだ道を歩いていると

チラチラと周りにいる女性が、クオンの事を見ているのがわかる。


・・・・・・そうよね、やっぱり・・・・・・・・


金髪碧眼のクオンは・・・・・かなり目立つ。

そして、何よりカッコイイのだ。


一緒に居るクオンが、他の女性に見られることは、気にならないといったら

うそになる。でも――――――――――

きっとクオンは、他の女性に目がいくことはないと信じてるから

私は気にしないことにした。



「ワァ~~~~っ!!!!!すごぉ~~~~いっ!!!!!!!」



店舗を抜けると、そこには大きな海に模した湖(池?)が広がり

遠くには大きな山が見える。

その山から・・・・微かに煙が上がっているような気がするのは・・・・気のせいかしら??


そして、今日の今の時期はクリスマスの飾り付けがしていて

とても可愛らしい。


この・・・・・入ってきたところ(何とかハーバー、だったかな?)に

もみの木のツリーが飾ってある。


思わず見惚れてしまっていると・・・・


「・・・・キョーコは、どこか行きたいところはあるかな??」



場内のパンフレットを片手にクオンが聞いてくれたから

私は・・・・・



「とりあえず、この近くのゴンドラは乗りたいっ!!!

それから・・・・これと、これは乗って・・・・・

後、全部この園内を一周したい、かな???」




「・・・・・わかった。じゃあ、まずはゴンドラに乗りに行こうか。」



「うんっ^^!!!!!」



私たちは、手をつないでゴンドラ乗り場へと向かった。




*



少し並んでゴンドラに乗り、ある橋の下で願い事をするとかなうらしいから・・・・

私は、”蓮(クオン)といつまでも一緒に居られますように・・・”ってお願いしちゃったっ///


クオンには、特に何も聞かれなくって良かった、カナ・・・・??



ゴンドラを乗り終えた私たちは、そのまま、隣の古きアメリカの町並みを再現したエリアにやってきた。


ここでは、ミュージックバンドのショーがやっているのだが・・・・・

人気で入ることができなかった。


エレベーターが落下するアトラクションは・・・・

何でもあまり待ち時間がなく入れる、というパスがあったので

そのパスを取って、また後から乗ることにした。


クリスマスのショーは、このエレベーターのアトラクションの前の広場であるみたいで

さっき抽選に行ったら当たったから、夕方からの回を見に行くことになっている。


そして、大きな船の前には、光り輝く大きなツリーがあった。



「わぁ~~・・・・・キレイ・・・・・・・」



思わず感嘆をあげる私を、クオンは隣でそっと見守っていてくれた。


ここで少し並んで、二人で始めて写真を撮ってもらって・・・・・

ちょっとだけ、恥ずかしかった/////



その後私たちは、大きな船の隣にある、大きな橋を渡り、

下町のような感じのエリアへと入っていった。


ここでも・・・・・またさっきと違ったクリスマスツリーが飾られていて、

さっきよりも・・・・・とても可愛らしい。

そしてここでは・・・・・私がずっと、ずぅ~~~っと気になっていた、

あるもの、が売っているお店があるのだっ!!!!!



「・・・・・ネェ、クオン・・・・・・

私、あのお店に行きたいんだけど・・・・・・いい???」



「もちろんっ!!!大丈夫だよ??行こうか???」



二人してお店に向かうと、そこはあまりの人気で、入るのに列になっていた。


二人で少し並んで、やっと入ることができたそのお店には・・・・・・

ダッ○ィーちゃんが、いっぱぁぁぁぁっぁ~~~~~い、並んでいた。



「キャァ~~~~~~っ!!!!!!!!!カ、・・・・・カワイイィィィィ~~~~ッ!!!!!!」



ダッ○ィーちゃんの他にも、女の子のシェ○ーメイちゃんもいて

どちらも可愛くって、ずっと見つめていると



「・・・・・キョーコ、欲しいのなら、好きなの選んでいいよ??」



隣で喜んだ私を見て、微笑んでいたクオンがこう言ってくれた後

私は、自分の二匹選ぶのに・・・・・30分以上かかってしまった。

(この子たちは、なんとひとつずつ顔が違うのっ!!!!!)


その後、着替えの服も一着ずつ買って

(残りは、これを参考に自分で作るの♪)

意気揚々と私はお店を出たのが・・・・・

入ってから一時間もたっていた。


一緒に買い物に付き合ってくれたクオンは、

嫌な顔など全くせずに



「ねぇ、キョーコ・・・・・

そんなにこの子達が好きなら・・・・・

この近くで、この子が出るショーを見ながらご飯が食べられるところが

あるらしいんだけど・・・・・・行ってみる???」



「えっ?!・・・・いいのぉ~~~????」



「もちろんだよっ!!!!」



私たちは来た道を少しだけ戻って、ショーを見ながら食べられるレストランへ行った。


ここでも、入るのにちょっと待ったけど、クオンはいやな顔をすることなく・・・・

一緒に待っていてくれた。




*




ショーを見ながらのランチは、とても楽しかった。

私はショーに見入っていて、なかなか食べるのが進まなかったけど・・・・


合間合間に急いで食べたから、あまり味を覚えていなかった。



ランチを食べ終えて、今度は未来のマリーナみたいなところへやってきた。


ここにもツリーがあったのだが、未来のマリーナ、というだけあって

ちょっと面白い感じだった。


ここでは、クオンと二人で、水の上をくるくる回る乗り物に乗って楽しんだ。



次は・・・・・ちょっとジャングル、とまでは言わないけど海ではなく、川っていった感じで

ツリーもあったのだが、大きな木にオーナメントやリボンを巻きつけてあるだけの

シンプルだけど、ちょっと心温まるようなツリーだった。


ここにあるアトラクションは、珍しくクオンが乗りたいといってのったのだが・・・・

ちょっと怖くて、ビックリした。



次は、アラビアンナイトの世界へ行って・・・・・


また変わったツリーを見た。

何でも、ランプの精が作ったツリーらしくって、

今までにないようなデザインで・・・・・

ちょっと見入ってしまった。


ここには、二段になったメリーゴーランドがあって・・・・・

小さな子供たちがいっぱいいる中、私が乗りたかったから

乗せてもらった。


私は・・・・・なんと、馬ではなくてランプの精の上に乗って、楽しかった。




*




この後行ったのが・・・・・・人魚姫が舞台の、海の中の世界。


もう可愛らしくて(パステルカラーで、壁に貝の跡とかあって・・・・)

今まで以上にニコニコしていたらしくって



「・・・・・キョーコの好きそうなところだよね、ここって・・・・・」



こうクオンに言われてしまったくらい。


人魚姫たちが暮らす、海底のお城のような建物の中は・・・・・

海のそこの遊園地のようで・・・・・とっても可愛かった。


そこの乗り物は、全部乗ったのだが・・・・

小さな子供が多いから、疲れた様子のお父さんとかが、よく座って休憩していた(笑)


ここでは他に、人魚姫が出てくるショーを見たのだが・・・・・

人魚姫が海の中で自由に泳ぐような動きを出すために

ワイヤーで括られて踊る姿を見て・・・・・・

思わず見入ってしまっていた。


終わった後、クオンが



「・・・・・すごかったね。」



と言ったくらい。




*




この後は、中央にある秘密基地のようなところへ行って、海底の世界を味わい

大きな山の上から落ちる乗り物に乗り・・・・・

(ここにも、クリスタルに輝くツリーがあって、また見つめてしまっていたっけ。)


気づいたらもう、ショーの始まる時間が迫っていた。



私たちは急いでショーの始まる場所へ行くと、始まる直前だった。


いろいろなキャラクターたちが出てくるこのショーは・・・・・

クリスマスの特別な話で、とても楽しかった。

隣に座るクオンのことが、ちょっと気になって、ショーの途中に何回か

隣を伺っていたのだが・・・・・

クオンは、ずっとショーに見入っていたようで

私がチラチラ見ていたことに気づいていなかったみたい。



ショーが終わると、そのまま、船の前で行われるショーを見に行き

すごい人ごみの中、何とか小さく覗き込むことができた。



ショーが終わって、そのまま朝取っていたパスを使うため

エレベーターに乗りに行ったら・・・・・・


あまりの怖さに・・・・・微かに涙がにじんでしまった。


クオンに気づかれて、頭を撫でられたけど・・・・・ちょっと人前だったから恥ずかしかったな・・・・///




*




夕食は、このパーク内にあるホテルの二階にある、地中海料理のお店で

クリスマスの限定ディナーを食べて・・・・・

とても美味しかった。


お店を出ると・・・・・空には花火が上がり、今日の出来事に呆けていると・・・・・・



「・・・・・キョーコ・・・・・

もう・・・・・、帰らないと、ね・・・・・・」



そう、この花火で・・・・・私たちが帰る時間、なのだ。


理事長のお宅で・・・・クオンが、蓮に戻る準備がされてて

この花火が終わった時間にここを出ると、丁度約束の時間に間に合うからって・・・・・


実は、朝最初に、言われてた。


わかっていたいたのに・・・・・・

いざこの時間が来てしまうと、寂しい。


今日みたいに、人目を気にせず、二人だけのデートなんて・・・・・

蓮に戻ったら、高校を卒業するまで、無理なんだから・・・・・

こう思うと、悲しくなってくる。


下を向いたまま、何も言わない私を見て

クオンは、優しくそっと・・・・・私を抱き寄せた。



「っ!!!ク・・・・クオンっ!!!!!み、みんな見てるよっ//////」



「・・・・大丈夫。暗くて・・・・・誰も見てないよ・・・・・

それに、見られても・・・・・困らないよ。」



ううっ・・・・・確かに・・・・・そうだけど・・・・・・

でもやっぱり・・・・・恥ずかしい////



「・・・・キョーコ・・・・・・

確かにもう、なかなかこういったデートはできないかもしれないけど

それも、後2年ちょっとだし・・・・・

何よりキョーコは、毎日俺と一緒に居るんだよ、ね・・・・??」



「・・・・・わかってる・・・・・けど・・・・・・

今日、楽しかったから・・・・・・

やっぱりちょっと、残念だなって・・・・・・・」



「うん・・・・・そうだね・・・・・・

でも、今日で終わりじゃないから・・・・・・

また・・・・・・、また今度来よう・・・・・二人で。」



この言葉に、私はクオンの顔を見ようと胸に埋めていた顔を上げると

柔らかな、温かい笑顔を浮かべたクオンが居て・・・・

思わずキュンって・・・・胸が高まると



「・・・・・キョーコ・・・・・・

そんなかわいい顔されると・・・・・・

我慢できなくなる・・・・・」



そっと小声でそうつぶやくと、クオンの顔が徐々に近づいていき・・・・

軽く、私の唇に触れるようなキスをした。



「続きは・・・・・蓮に戻ってから、たっぷりと、ね・・・・・・」



思わず真っ赤になりながらも、軽く頷いた私は・・・・

そのままおとなしく、クオンと一緒に、この夢の国を後にした――――――



act.3へつづく、のか・・・・??








はい、やってしまいました。

二人のデートinテーマパーク。


言わずと知れた、某有名な何チャラシーでございます。


公式HPを見ながら、今年のクリスマスの感じをつかみつつ書きました。

シーのクリスマスは、ここ数年行っていないので・・・・


今回のお話は、絶対に書きたかったので

作者の趣味、もろばれ状態になっております。

(だって、大好きなんですもの♪)


一応、なんとなくこんな感じで行けるんじゃないかな、と思いつつ

作者の好みと、二人の性格を考慮しつつ

思いっきり会話が少ないデートになってしまいましたが・・・・・

二人は本当は何気ない会話、してると思いますよ??


それと、イルミネーションやら、キャラクターやらに見入る

キョーコに見惚れるクオン・・・・・

きっとこんな感じなんだろうな、と思いました。


実は、男性って、こういったテーマパークがダメって方もいらっしゃると思うのですが

基本フェミニストが彼が、絶対に嫌がることはない、と私はふんでおります。


何チャラシーを知っている方も、知らない方も・・・・・

なんとなく、雰囲気をつかめていただけたのではないのでしょうか???


今年のシーのクリスマスでは、いつものメインのツリーのほかにも

七つのツリーを飾っているとの事で

その場所も・・・・一応書いてみました。

おかげで説明ばかりになってしまいました・・・・。



そして、金曜日にデートに行ってるのに、どうして今日公開なのか・・・・・

それは、今日、このテーマパークで一番メインのキャラクターくんの

誕生日だからです。


そんな単純な理由で、今日公開にしてしまいました。



少しでも皆さんが楽しんでいただけたら、幸いです。



長いあとがきにお付き合いいただき、ありがとうございました。