きっかけは私が「どんなに頑張ってもお山の大将にしかなれないなら、実力勝負の世界で生きぬいてやる!」と決意した頃からだ。

先述した通り、医療業界には身分格差がある。

かといって今から獣医を目指す?
いや、それはあまりにも現実離れし過ぎてる。
だったら、保護施設や愛護団体で獣医の次に優遇されるトリマーを目指そう!

その決意が仇になることも知らず、私はあくせくと情報収集をした。







だが…問題が一つある。
これ↓
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左腕丸々一本に入れた刺青。
彫り物を体に入れている人間には、この国では社会権はないようなもんだ。
当然、半袖の制服の大手サロンでは雇ってはもらえない。

だから私はあらゆる手をつけても、最初から「独立開業」の道を選んだ。







ある日母さんと話をしていた時、こう切り出された。
「Angelaちゃん、あのね、『あれもやりたい、これもやりたい!』てのは何も身にならないのよ。それにあなた、医療事務してるじゃない?ご主人は何て言ってるの?」
はい?!て、鳩が豆鉄砲を食ったような顔を私はその時していたと思う。

実際ダンナには、使っていない駐車スペースと、客間を使って自宅で開業する許可を得ていた。

だから正直、母さんの言葉は心外だった。

私は躁転してると勘違いされていた。
でも私のフラットというのは、一般的な人の軽躁状態なので、そこが理解してもらえなかった。

私の頭には弟の顔がすぐ浮かんだ。
「ああ、そういう事ね」
弟が母さんに、私に対しての不平不満を話していたんだな。直感的にすぐわかった。







私はその頃、眠剤が強く、午前中の記憶が飛んでいた。その様な状態の時にかかってきてた弟からの電話。

私は働かない頭で、何を話したのか覚えていない。だが、かなり失礼なことを言ってたみたいでだったのは明白。
そしてサロン開業に関しても、彼は上手くいかないだろうと踏んでたみたいだ。






(理解してくれないなら、いいよ。別に。私は絶対成功してみせるから!)

そうして、仲のよかった私たち4人家族はみんな別の方向へと進むことになる。



寂しい。

理解してもらえなくて悲しい。







ただ一つ言えるのは、
「素敵な思い出をありがとね!」
という感謝と、いつまでも3人の健康と幸せを祈り続けるばかりだ。

ただ単に、みんなシアワセの形が違うだけなんだから。だから、
縁があれば、また会いたい。

私はそう、思い続けている。




Smile AlwaysラブラブAngelaラブラブ