ただそこに

 横たわって


最期の時を生きてる






人が近くに来たら

反応で

動いてしまうんだ




生きてるのに

ただ

最期の時を生きてるだけなのに





嫌がられて
怖がられて









もうどうにもならなくて


生きてるよって

伝えたくて









でもひっくり返っちゃって

もう戻る気力もなくて

もちろん誰も元に戻してくれなくて



助けてって叫んでも


人間は悲鳴と


これ以上ないくらいの

嫌悪感を

ぶつけて


離れていく





怖がらせたいわけじゃないんだよ



もう自分では、木にしがみつく気力もない





そこに転がってることしか出来ない





出来れば、人に迷惑をかけずに

山奥でひっそりと

誰にも気付かれずに

誰のことも脅かさずに


誰にも恐怖を与えずに




その生涯を終えたかった





でも、自分の寿命

自分の限界なんて自覚する暇もなかった


分かっていれば


もっと人に迷惑をかけない方法を

選ぶことも出来たかもしれない



ただ生まれて、生きることに必死だった








人の足音……


物音がしたら



怖くて、動いてしまう




お願い殺さないでって




ごめんなさい


ごめんなさいって




最期の力を振り絞って


そこから飛び立つ










ごめんなさい

殺さないで


ごめんなさい


怖らがらせるつもりはなかった




ごめんなさい


驚かせるつもりはなかった






そうやって死んでいく命を








そこにしか、居られなかった





どうにもならなかった




     









まだ


生きててごめんなさい





死んでなくてごめんなさい



驚かせてごめんなさい




怖くて……


動いてしまってごめんなさい






まだ生きててごめんなさい




















死んでないのに

死んでるみたいに生きててごめんなさい