360度のパノラマには異国も写る(対馬最終日)。
朝、5時半に犬が吠える。
相変わらずハードな旅だ。
まだ冷える廊下を抜けて、初座禅体験。
こんな離島の臨済宗の寺で朝から座禅。
しかしこれで何か宇宙的なものにたどり着けるような気がするのにはどこかしら頷ける部分がある。
叩かれはしなかった。
7時には朝食。
そしてどなたかのように少し眠ろうとしたが、あまりうまくいかない。
結局晴れたので、時間感覚を入念に計算して、白嶽登山に行くことにした。
さまざまなサイトでは結構危険な部分もあると書いてあるが。
果たして。
迷いつつも第一駐車場へ。
これ、もうちょっと親切に教えてもらわないと辿り着けないよ。
先客は1台のみ。
片道1時間半くらいのコースらしいが、雨上がりのダメージはどれくらいあるのだろうか。
今日は雲ひとつない晴天。
大丈夫だぜ、今日はもうこれ以上降らせない。
道程は意外とハードな部分もあったが。
屋久島ほど長くはない。
投入堂との比較はどうか。
行程の3分の2はどうとでもなるのだが、鳥居を超えて、登りに入ってからの経路はやはり厳しい。
ロープとロッククライミングがあるからね。
最後の最後では海からの風が冷たく吹き付け、水は凍っていた。
今まで暑かったのに、急に寒くなる。
するともう雄岳の山頂の近くに着く。
後から振り返ると、割と命知らずの強行軍だったのかもしれない。
最後の最後は登山コースもわからず、よくわからないまま転落したらもちろん命はない崖を登った。
最後の崖の上から見る景色は絶景だった。
とんでもない景色だった。
周りに柵などはない。
ただ平面がわずかばかりある対馬白嶽の山頂である。
一面にパノラマが広がるが、容赦のない海風が吹き付ける。
充足した気持ちになるも、1人腰を抜かす。
帰路もなかなか辛い。
やはりグローブは必要だ。
ほぼ予定していた時刻に麓に戻った。
まだ時間があるため、最後に恒例企画でもあるバーガー。
壱岐でも食べたので、ここでも対馬バーガー。
イカとひじき入り。
相当なボリュームで死にかける。
朝から座禅、山登りと経ている。
フライトが30分遅れた。
余裕のあるプランにして良かった。
レンタカーのおじさんは、初日に恐れていたようなことは全くなく、最終的に良い人だった。
朗らかで、優しく、女性に困るタイプの人だった。
おじさんのおすすめどおり、秋に来るのも悪くないと心から思った。
対馬のコーヒーは須く薄い。
そういうものらしい。
それはそれで自分にとってはいいことなのだけどね。
飛行機の中は爆睡して、目が覚めたら福岡空港だった。
受付だとか、荷物検査だとかの時間までピエールエルメでお茶をして、お開きになる。
行きの失敗を繰り返さない程度にビールを飲んだ。
流石に今回はお土産を買う。
一人と別れ、夕陽の差し込む黄金の光の中、飛行機を待った。
そしてもう一人とも別れた。
成田までもまた眠り、バスの中でもまた眠った。
これで3月の大きな旅は終わった(はずだった)。
異様に充実していた。
最近の旅ではタイムマネジメントの他に快適に過ごせる環境というのも大切な概念だと思った。
いろんな旅が終わるたび、やりきった感が出る。
またじっくり次のことを考えよう。
何と言っても月末には1人放浪旅を行う予定。
年末は良い服を買おう。
龍のお守りは。
とてつもなく疲れて眠りに落ちた。
さて、現状、最後のストレートに入った。
何が待っているのか。