後半冴えわたる。 | 櫻井の日々。

後半冴えわたる。

山の朝。
晴れていた。
一度は断念しかけたけれど、圧巻の晴れ男っぷり。

リベンジは果たせたな。
朝からがつがつと食べました。
ソーセージってやっぱり好きなのよね。
計画より早く出られそうだったので、さらに計画は良くなりそう。
室堂を出て、大観峰へ。
トロリーバスの運転って普通のバスと同じなのですか。

狭い道を飛ばしているように感じるけれど。
数年前に思いつきで黒部ダムを目指そうとしていたことがあったけれど、あの時は何もわかってなかったなぁ。
こんなに時間もコストもかかるものだということがわかってなかった。
着のみ着のままで向かおうとしていたけれど、お盆休みの混む期間だということでなんとなく断念したんだった。

雨の多い夏だった。
立山ロープウェイで山を下っていく。
雪、紅葉。
黒部平付近で少し休憩。
熊が出るらしい。
かなり近いところで遭遇歴があるらしい。
私は立山ハイボールを買った。
ケーブルカーで黒部ダム方面に降りていく。
時間はまだまだあるので、黒部湖遊覧に。
昨日の勝利で気を良くしたので、地方競馬1,000円勝負。
遊覧している間に、気持ちよく溶けていきましたが。
修学旅行生もたくさんいる。
寒そうだ。
まだ昼には早いけれど、一回はダムカレーということで、試してみた。
グリーンカレー辛口。
辛かった。
今まで各種メディアで見てきたダムカレーはもっと美しかったので、拍子抜けしてしまった。
後で調べてみたら自分のなかのダムカレーは、みなかみのダムカレーのイメージだった。
もうここではいいやという気分。
急な階段を上り展望台にたどり着いて、時計を見るとまだまだ余裕な時間。
ただ、もうここでやるべきことは済ましたような気がする。
扇沢方面へのバス乗り場へのショートカットを発見してたため、もう次に向かうことにした。
よく考えるとあの氷見も五箇山も室堂もみんな富山県なんだなぁと思うとすごくいろんな顔のある県なんだと思ったよ。
ふるさと納税はどこか候補に入れようかな。
朝からの行動、ダムカレー、階段の上り下りで眠くなったので、バスで寝ようかと思ったのだけども、ここで一気に目が覚めてしまった。
午後は時間がある。
その間にできることを考えられたらと思っていたら、バスのスクリーンにきれいな寺が映っていた。
途中に温泉もある。
脳が高速回転し始めるのを感じた。
バスを大町温泉で下車し、その後、紅葉の寺に向かおう。
そして帰りの電車の時刻だけは決まっている。
今まで考えてもいなかったプランをぶっこんでフィナーレを迎えよう。
果たしてやりきれるか、間に合うか。
まずは大町温泉郷でバスを降りた。
酒の博物館、浮世絵の美術館が見えた。
しまったなぁ。
時間が足りない。
ということで、まずは日帰り温泉に入る。
ここでもJAFの優待が効いた。
ぬるいけれど、なんとなく良かった。
ここを速攻で切り上げ、酒の博物館に寄ってみた。
一度閉館したのだけど、北アルプス国際芸術祭に合わせて、一時的に開いているとのことだった。
良かったわ。
こういうところに住むのもいい。
浮世絵の方は開いていないようだった。
月曜だからか、それともそもそもやっていないのか。
観光案内所で、今後のプランを聞いてみたら、タクシーのトクトクチケットで行くのが最良ということでその通りにした。
運転手のおじいさんは穏やかだった。
向かったのは、霊松寺。

スクリーンに映った姿がとても美しかったから。
タクシーの方に待っていてもらったら、きっと費用も結構かかるだろうと思っていたけれど、チケットがあれば1万円分までは大丈夫。
まだ紅葉のピークには早いということだった。
しかも寺の内部に入るのもできないようだったが、参拝はこちらからとも書いてあったので、上がりこむことにした。
途中、境内でお茶会をしているおばさまたちに話しかけられ、一緒にどうですかと言われた。
タクシーを待たせていなければ、ご一緒するのも縁かと思ったので、「お気持ちだけ」と答えたら、「冗談で言ってるんじゃないのよ」とすごまれた。
えらい迫力のある人だった。
寺の中ではお坊さんが一人。
こちらに話しかけてくれて、案内してくれた。
面白い人だった。
そして面白い構造の寺だった。
もうこうなったらタクシー代も気にしないでゆっくり回ってしまった。
鐘も突き放題と言ってくれたので、お言葉に甘えることにした。
鐘を突き終わり境内に戻ると、お茶会は解散していた。
タクシーのおじさんものんびりしているようだった。
待機している間のメーターは進んでいなかった。
これでいいのかな。
タクシーが動き出して、窓から横を見たら、先ほどの威厳のあるおばさまと目が合った。
会釈すると笑顔で応えてくれた。
タクシーで、信濃大町に向かった。
ここから帰路につく。
あの大町ルートという名称すら残されるこの町。
面倒な切符の買い方に駅員さんも付き合ってくれた。
駅のそばがおいしそうだったけれども、ここはちょっとだけ離れたところまで歩いて、そばを食べた。
瓶ビールもきめた。
あとは帰るだけ。
あずさ46号は信濃大町に1日1回だけ着く新宿行きの特急。
指定席で乗り込み、いろいろとお別れをして、新宿へ。
この日の午後のプランはすべて降って湧いてきたもの。
神がかり的に充実した。
明日からの日常なんて、、、といった気持ちになって秋の旅企画は終わった。

いい旅だった。

いい旅すぎた。