次男坊がどんどん痩せてきて、

さすがにこれはまずいと病院に連れていく。

おなかさわって

「しこりあるので、検査させてもらっていいですか?」

(友達に言わせると『させてもらっていいですか』はポイント高いらしい。確かにどんどん検査されて高額請求されるとびっくりする)


「おなかの毛も剃っちゃいますけども」

夫の頭髪と違ってたくさん生えてるし、

(夫と違って)また生えてくるし、

なんの問題もありません。



レントゲン、エコー、血液検査、

一通りの検査をするとそれなりの金額になるってことで聞かれたのだと思う。


検査の間、

料金表をみながらざっと計算するとお財布に入ってるお金で足りそう。

そう。

ここのクリニックは先生は無駄話しないが穏やかで話を聞いてくれて、

そして明瞭会計なのだ。


検査中、検査料を計算できるくらい

気持ちに余裕があった。

まさか次男坊が大きな病気をかかえてるとは思ってなかったから。


しばらくのち。

血液検査も結果がでて診察室に呼ばれ、

脾臓に腫瘍があることを告げられる。


この時はこの腫瘍がナニモノであるかわからず、

血液検査では他に問題がないので(痩せてるわりに栄養状態も悪くなく、血液検査でわかる他の病気もない)

手術が第一選択。


わたしは延命の治療はするつもりはない。


11歳のシニアの域に入った猫の病気。

手術。


怖い思いも痛い思いもさせる。


でもまだ11歳。


今の猫は20年くらい生きるよね?


まだ折り返したばかりだよ。


でも。


でも。


ほんとうに手術の必要がある?

もう11歳だよ


「おうちで相談してゆっくり考えてきてください」

この場では決められない。


まだ11歳。

もう11歳。


「先生はどう思いますか?」

きっと答えてはくれないと思ったけど聞いた。

素人のわたしがいくら考えてもきっと答えなんてでないよ。


「ぼくは、

手術したほうがいいと思います」


血液検査を見ても他に悪い症状がないこと、

腫瘍をとってしまえば、その後も何もなく長く生きるコもいること。(転移性のものであれば検診は必要)


最短の手術日を確認だけして、

この日は帰る。

先生は答えてくれたけど、決められない。


帰る道すがら考える。

信号は赤なんだか青なんだか。

夫に短いメールを送る。

次男坊が病気であること。


「とにかく落ち着いてゆっくり帰ってこい」

と返信くる。


『悪いものをとってしまえばその後普通に暮らしてるコもいる』


きっとうちのコはそれだ。

すぱっと悪いものをとってしまえばいいんだ。

きっと治る。

延命のためじゃない。

生きるためだ。


次の日、

クリニックに電話して最短で手術の予約をいれた。

決めたなら早いほうがいい。