さて、メンテはほどなく終了した。

愛器はクロスをかけてもらって、新品の

ハードケースにそっとしまわれる。


保証書をもらったり、楽器店のメンバー

登録をしたりした。


さて、では帰りますか。


・・・とはならない。



練習に必要なものがもうひとつある。

それは、「防音室」だ。


YAMAHAが提案している防音室みたいな

ものを敷設するには敷居が高い。


かといって、楽器全体が鳴る木管楽器では

トランペットのようなミュートはできない。



自宅で楽器が吹きたいのに吹けないんだ!

どうしよう・・・。

助けてドラえも~ん(泣)



・・・とはならないのが、現代楽器界。


アルトサックスを自宅練習するにおいて

非常に強力な助っ人あらわる。その名は、


【 e-sax 】 



詳しくはリンク先をごらんいただきたいが、

ガンダム感あふるる樹脂製の白いスーツを

楽器に着せてあげればなんと!

生音では車のクラクションクラスだった音量が

オトナの抑えた会話音量程度に低減。


しかも、吹奏感をほとんど損なわない!


まさに『世界最小の防音室』。

こういうの考えてくれたヒト、好き♪


大丈夫だよ、のび太く~ん♪ デロリロリン♪

てな感じだ。



カラオケボックスでは楽器練習を一応認めてる

ところが多いし、スタジオの個人練習という手も

あるが、やはり自宅で練習できるメリットは多い。


CMプランナーという職柄、決まった時間に練習

できないことは明白なので、僕にはありがたい

発明だ。



実際に楽器を装着して、首にストラップを

かけてもらった。e-sax自体の自重が2キロ強

あるので、アルトがテナーぐらいの重さになる。


女性はいざしらず、成人男性ならまあ、問題ない

重さだ。


店員さん曰く『テーブルとかにちょっと乗っけ

ちゃって吹いたら肩凝らないですよ(笑)』



目の前で店員さんに試吹きしてもらったが、

楽器店という環境もあるが、テレビを普通に

見ている程度の音量だ。


常識的な時間に練習するならまあ問題なさそうだ。



ヨメとも話をしたが、これは後々必要になる

ということで併せて買い求めることにした。



さて、あとは決算。



先日立ち寄った際に楽器の大体のところは聞いて

いたが、もろもろ併せていかほどかッ!?


店員さん、よろしく勉強頼みますよッ!!



電卓を叩く店員さんに謎の念波を送りながら

金額とご対面。



40万円也(四捨五入して)。



楽器定価とほぼ同額。

決して安くはないが、これからのことを

考えると高くはない。


この辺の感覚はひとそれぞれだろう。


いまは喜びが俄然勝っている。

理解ある家族に感謝♪

ネットの情報で、楽器を購入した後はメンテマンによる

調整があることを知っていた。


今日は持って帰ることはできないんだろうな、と思って

いたら、「いえ、今日お渡しできますよ♪」とのこと。


やほ~い♪


即日お持ち帰りは、やっぱり嬉しい。


ウィンドウからキラキラした、いまや愛器となったアルト

(名前つけないといけないな)が取り出され、お店奥の

メンテブースへ。


メンテマンの方がキーをかちゃかちゃしたり、中に温度計

のような形状の光るダイオード棒を突っ込んだりしている。


「それ、何してるのですか?」

「光が漏れてるとキーがちゃんと穴をふさげているか

チェックしてるんですよ」


なるほど。


いろいろあるらしい。デリケートな楽器なので、手に入れた

後も定期的にメンテに出す必要があるらしい。シーズン毎

あるいは半年に一回ぐらいが目安だそうだ。


WIND BROSさんで購入するとアフターサービスでこの

キー調整等が無料で受けられる。これは助かる。


ずっと眺めていたかったが、この時間を使って「そわつもの」

である、リードや手入れグッズも買い求めることにした。


こんなこと言わずもがな、であるが、楽器は手に入れたら

ハイおしまい、ということにはならない。ペットたちと同じで、

愛情とこまめなケアを注いであげないとならない。


楽器を買うと

楽器本体(ボディとネック)

ハードケース

マウスピース(SELMER S90が付いてきた)

リガチャー(マウスピースとリードを固定するもの)

コルクグリス(マウスピースとネックの間にあるコルクに塗る)

スワブ(楽器の中の水分を吸い取るのに使う)

ストラップ(楽器を首からさげるのに使う)

が付属してくる。


他に差し当たって必要だったのは

リード(これがないと音がならない)

クロス(楽器店で無料でもらえた)

タンポの水分取り(キーと穴の間にタンポという部品があるが

 ここに呼気の水分がたまりやすく、それを取るのに必要)


スワブは消耗が激しそうだったので、YAMAHAの

普通のを別途買い求めた。


タンポの水分取りは油取紙でも代用できるようだが

繰り返し使用できる樹脂製みたいのを別途買い求めた。


さて、リードだ。

ここは音質を決める上で重要とのことだが、かなり手練れの

サックス吹きですら、理想のリードにはなかなか出会えない

とのこと。


まずは定評あるものの中から、自分の求める音質に近いと

言われるものを選ぼうと思った。


リードには固さの段階もあって、初心者は2と1/2を選ぶ

いいと聴いていたので、固さは迷わずそれにした。


音質は聴く分にはブライトでバポッ♪と豪快なのも好きだが、

自分が吹くなら、少しウエットでまろやかなのがいい。


すると、RICO ROYALを薦められた。


ものの本やネットでも見た名前だ。まあ定評があるものだろう。

物は試しだ。よく分かんないけど、そこは信じて、買い求めた。



あとはリードケースやスタンドなどさまざまな

アクセサリーはあるが、その辺は追々そろえていこう。



明けて日曜日。


ちょびっと仕事を済ませた後、またぞろ楽器店へ出向く。

電車で8分。そこから徒歩5分。家と近いのはいい。




今日は買うぞ♪

気合いが違う。



一晩明けて、冷静になって考えてみる。

やはりSELMERがいいな。



IIかIIIか。

新しいのは無論IIIであり、いわばIIのアップデート版。

様々なウィークポイントが改善してあるモデルだ。



が、前回の聴感では、IIの音の方が気に入った。



さらにWEBサイトを見たり、友人にヒアリングしたりして、

実は音の面からSA-80(SERIE II)の方にも未だ

根強い人気
が残っていることも知った。





再び同じ店員さんにII/IIIを吹いてもらうことに。

やはり、前回の時と同じ感想を持った。



好きな音は、IIにあり。





迷いは去った。

そして、甘美にして厳かなこの台詞。



「じゃ、これ頂きます♪」





この瞬間にSELMERのアルトサックス

SA-80 SERIE IIが僕の初号愛器

となった。





SA-80


うつくすぃ・・・




店員さんに、僕のかわりに候補楽器を吹いてもらった。

「普段はテナーなんで^-^;」というかわいい言い訳
の後、それぞれの楽器を丁寧に試奏してくれた。

ムスメには「ぶ~って鳴るからね」と何度か事前に
言い聞かせてからの試奏だ(笑)

計4本。
簡単なスケールを吹いてもらっただけなのに
それぞれの楽器に明快な違いがある。
値段の差によるものと言うよりは、各メーカー間の
音作りの差だろう。

非常に個人的な聴感によるものだから他の人が聴く
とどうかはわからないが、僕とヨメによるファースト
インプレッション、および店員さんの吹奏感
こうだった。

・SELMER SA-80(SERIE II)
たとえて言うならクリームスープのようにまろやか。
艶のある音。店員さん曰く、適度に抵抗があって
吹いた息を上手にまとめて音にしてくれる感じ。

・SELMER SERIE III
ブライトで勢いのある、広がりのある音。吹いた
息がストッパーなしに、そのまま音になっている
感じ。

・YAMAHA YAS-875
明るくて、若い音。たしかにブラバンぽいというか
スイングガールズな印象。吹きやすさはSERIE
IIIに通じる、息の通りの良さがあるとのこと。

・YANAGISAWA A-991
SERIE IIよりは渋みかかったまろやかさ。
低音でビリリ、高音はまろく。こちらも吹いていて
適度な抵抗感があるようだ。


う~む。演奏者の個性も多分に反映されているとは
思うが、聞こえてきた音で純粋に判断するなら、
sak sak家の好みは、SERIE IIかA-991。
奇しくも僕とヨメ双方が一致した。

が、ここに来て、ムスメは扉を指して「バイバイ」
と連呼
しはじめた。大きな音が怖いのだ。そろそろ、
限界か。

後ろ髪を引かれつつも、いったん、店を後にする。

出る前に店員さんの名刺をもらい、楽器と必要な
小物一式をそろえた場合の大体の値段を聞いて
おいた。


WIND BROS に入るといきなりヘロリロヘロリロと
サックスを吹きまくっているプレーヤーが。

楽器店に行くとよくいる
<俺の、俺の、俺の調べを聴けぇ~い♪>
タイプの人らしいが、それにしても気持ち
よさそうだ。

僕もあんな風に吹けたらいいな♪と思いつつ
ヨメとしばし物色。ムスメは車のクラクション
並にでかいサックスの生音にビックリしたらしく
パパの足下にしがみついたままだ。

目が合うとニッコリするものの、その目は
ちょっと泳いでいる。かわいそうだな。
早く決めよう。でも店はでない(笑)


どうもサックスには御三家というのがあるらしい。

・SELMER(フランス)
・YAMAHA(日本)
・YANAGISAWA(日本)

がそれだ。

それぞれにそれぞれの特長があり、
それぞれにそれぞれのファンがいる。

SELMERは押しも押されもせぬトップブランド。
プロにも愛用者多し。本家はパリだが、アメリカで
独自に生産されるブランドもあり、これはアメセル
といって、また別のファンがいる。

YAMAHAは吹きやすさに定評。ブラバンやビッグ
バンドのメンバーに幅広く浸透。スクールでレンタル
もされているから、実際に手にする人は多いそうな。

YANAGISAWAは通の選択らしく、コスト
パフォーマンスもいい。これでなきゃダメ的な音に
こだわりのあるヒトの選択肢といえよう。


他にもいいブランドはあるそうだが、まずは御三家
から選んでおけば間違いはないとのこと。

自分の中ではいろいろとネットや音楽雑誌で
下調べした結果、

・SELMERの『SA-80(SERIE II)』
・同『SERIE III』

がいいな、と思っていた。あとは実際の音を聴いて
からだ。

女性店員さんがこちらに来てくれたので、おもむろに
相談開始。

・全くの初心者であること。
・アルトサックスを探していること。
・オールジャンルでプレイしたいこと。
・永く使いたいので入門器を買うつもりはないこと。
・SELMERのIIかIIIがいいと思っているが
 それ以外のブランドで同等の選択肢がないか。

といったことをもちかけた。


店員さんは丁寧に話を聴いて、
SELMERの他にYAMAHAのYAS-875
YANAGISAWAのA-991を出してくれた。

目の前にズラッと並んだ金色のボディ。
キラキラ~ん♪

いかん、クラッと来た。
美しい。
美しすぎるぜ、サックス!!

・・・で、どうしましょうか。
って感じで微笑む店員さん。

いや、僕吹けませんから。
あなたが代わりに吹いてください。
で、音を聴かせてほしいのです。





渋谷の東急に寄ったその足で、家族ともども
楽器店に向かう。

せっかくパパが愛器を買うのだから、一緒に
ついてきてもらった。

楽器ばかりはネットで買うわけにはいかない。
モノを直接見て、音を聴いて手にしたかった。

ネットその他で前々からチェックしていた
WIND BROS さんへ直に見に行くことにした。

渋谷東急プラザから246にかかる陸橋を
わたって、降りたところからビルを見上げると
キラキラしたサックスがズラリの看板が見える。

近くにはKEY楽器の看板も見えるが、ここは
イケベ楽器の管楽器(サックス)部門の独立店だ。
いつもなら迷わずドラムか電子楽器のブースに
行くのに不思議な感じ。

さて。エレベータをあがると奥のガラスドアから
サックスの音が漏れ聞こえてきた。

^-^♪

いやがおうにも胸がワクワクしてくる。同時に
なぜかちょっと緊張してきた。

ムスメを抱いて、ドアを開けるとそこは!

空気がもう金色のスープ♪
めくるめく、サキソフォーンの殿堂だった!

いや~ん♪

アルトにしたら、迷いが晴れた。


もう早速吹きたい(キラーン)


楽器買っていいかどうかはヨメと話して

意外とあっさりOKもらった。


ヨメはお筝の先生なので、音楽云々には

とても理解がある。


リーマンの場合、実はここが結構な

ハードルなので、良かった。



楽器購入について。

習いに行ってから先生のアドバイスで買うか、

自分で勝手に買うか。


賢明なるプレーヤーは前者を選ぶのかも

しれないが、こちとらロッカー。



待 っ て ら れ っ か あ !!



もう、思い立ったら、吹きたいのだ。


練習面で先生の言うこと聞くのはいいだろう。

しかし、楽器はどうか。

専門店の専門家に相談しつつ、

自分の好きな音がでる楽器を選べばいいじゃないか。


そもそも、他人にあてがわれた音が

後で気に入らなくなったらどうする。

自分が好きな音は誰よりも自分が知っている。


その楽器を楽器を買えば

どうなるものか

危ぶむなかれ

危ぶめば道はなし

吹きだせば

その一音が道となり

その一音が道となる

迷わず買えよ

買えばわかるさ

ありがとう!


もう最後は、猪木節(笑)

全精力で、買いたい自分を正当化。

これだから、オトナは(笑)


で、先にMY楽器を買うことに。


でも、まだ吹けないじゃん。

どうやって試奏するのか、オレ!?

アルトか。

テナーか。

それが問題だ。


結論はヨメに相談したときのように

意外とシンプルに現れた。


まず、会社に持っていく音楽資料を

取り出そうとラックを探ってたら、

バードこと、チャーリー・パーカーの

アルバムが落ちた。


そして、通勤途中のメトロで前に座った

オッサンがナベサダ(渡辺貞夫)の話を

してた。


・・・この2人、名だたるアルト奏者。


そして会社に着くと

クリエーティブディレクターから

「アルトがアルトいいよね」と言われた。


最後のは無論、軽やかなる冗談ですが

こういう迷っているときのインスピレーション

というのは、気になります。


神の声かと。



机にたたずむことしばし。


ヨメやムスメの誕生日に

ハッピバースデイ♪の曲を

アダルツに吹き上げる自分を

妄想(笑)



悪くない。



こういう決めらんないのは

もう出会いというか

神の声に頼る、ですね。


求める答えは

内なる声に応え、

外からやってくる。


で、決めた。



オレは、アルトだ。



サックスをやるとしても

いろいろあるよねえ。


ソプラニーノ・サックス。

ソプラノ・サックス。

アルト・サックス。

テナー・サックス。

バリトン・サックス。


・・・どれがいいかなあ。


ポピュラーさでは

アルトテナーだろう。

でも、どっちかを決めないと。


アルトとテナーはE♭とB♭で運指が違うから

後で簡単に持ち替えて演奏することはできない。

ちょうど小学校のソプラノリコーダーから

中学校のアルトリコーダーに持ち替えた時のように

戸惑いが発生する。



どっちが、いいかな(悩)



サックスといって音色を

パッと思いだすのは、

ソニー・ロリンズ。

名盤サキソフォン・コロッサスのテナー翁。

つい先日、感動のラスト来日を果たした。


あのブパッブパッ♪というヌケのいい

豪放磊落な音は憧れの的だ。


・・・ってことは、テナーか?



でも!

でも!である。


実は先日「サックスやるべ♪」と決めた時点から

鬼のようにWEBサイトを見まくり※1の

サックス関連本を読みまくり※2で

最初に始めるのなら【アルトサックス】

いいのでは・・・と心が傾いていたのだ。


収集してきたポイントをかいつまむと、

●初心者がはじめるには「アルト」がいい。

●演奏人口は「アルト」が一番多い。


これは大事なポイントで

楽器にしてもなんにしても

同好の志が多いのは

情報法、練習場、いずれをとっても

情報面で圧倒的に有利である。



■※1)特に参考になったサイトは

ジャズ・サックス★キングダム さん


■※2)特に参考になった本は

これで完璧!サックスの基礎 (著:藤田絢三)

楽器を選ぶ上で、キーワードを決めた。

それは『オトナ』


その楽器はオトナですか?

はい、オトナです。


そんな会話がなりたつ楽器。


せっかくオトナになってからはじめるわけだし、

オトナである時間のほうが断然長いんだから、

どうせならオトナな楽器じゃないとね♪


いろいろ異論はありましょうが、

sak sakの思うオトナな楽器というと

すごい勢いで勝手なイメージだが・・・


■チェロ(←は演奏したい度数)

クラッシック界の五木寛というと怒られそうだが、

ヨーヨーマの弾くチェロ!カッコイイ!オトナ!!


■二胡

あの寂びた音がオトナ。女子十二楽坊が

流行る前からすごく好き。


■ジャズ・ピアノ

ビル・エヴァンス!大人すぎ!


■バンドネオン

アストル・ピアソラ!卑怯!!


■サックス

限りなくエッチでセクシーな楽器だと思う。超アダルツ!!



これぐらいだろうか。



で、まず自分が演奏してる姿をリアルに想像してみた。

いくら音が好きでも、リアルかどうか。

これ、重要。


・・・で、結論。


『全部、アリかな(笑)』

もう、超ナルシー。

自分で笑える。


どれもしたいし、

どれも可能性があるので、

選べない。

よくわかんないので、ヨメに相談。



『ねえ、これとこれとこれがやりたいんだけど、どれがいい?』

『サックス♪』



・・・早ェっ!?



sak sakの迷いはこうして

数秒で去ったのだった。


そうか、サックスか・・・

オトナ計画。

なんかそんな名前の劇団がありますが。

こうしてオトナ楽器=サックス計画が

はじまったのだった。