自分の想いは、相手に伝えなければ、相手には伝わらない。
雰囲気だけで伝えようとしても、ニュアンスしか伝わらない。
きちんと伝えるには、自分の想いを言葉にする必要がある。
ただ、言葉にするには、自分の想いを強くする必要がある。
強くなった段階に踏み入る必要がある。
初めから、想いが強い人なんてほとんどいない。
大概は、弱いところから初めて少しずつ強めていくもの。
そもそも、自分の想いって、薪で火を熾すことに似ているんよね。
だって、薪で火を熾す場合、いきなり太い木に火を点けようとしても点くものではない。
初めは、小さい木に火を点け、火種を作る。
その火種が消えないようにしながら、薪を組み、少しずつ炎を大きくさせる。
炎が大きくなって初めて、太い木を入れ、その木に火が点くようにするもの。
核となる太い木に火が点けば、もう大丈夫。
だが、それまでの間は、注意が必要。
火種は、些細なことで簡単に消えてしまう。
余計なことをするだけで、簡単に消えてしまう。
だから、段階を踏みながら、少しずつ炎を大きくすることを心がけることが大事。
いきなり炎を大きくしようとすると、高い確率で炎は消えてしまう。
人が抱く想いも似たようなもの。
最初は、小さな想い。
それが少しずつ強まり、次第に強い想いへとなっていく。
強い想いになる前に、その想いを消さないようにすることは非常に大事。
自分自身で育んでいくことはすっごく大事。
ここで、周囲の人が余計なことをすると、その想いは簡単に消えることにもなりかねない。
強い想いを抱いた方が良い、と周囲の人が思って何かをするのは、大きなお世話になりかねない。
小さな親切が、大きなおせっかいになることって、意外と良くある。
自分は相手のためになると思ってした行動が、かえって、相手を傷つけてしまうことはよくある。
背中を押して想いを少し強めることは、相手のためになること。
だが、押しつけることで想いを強めようとすることは、相手を馬鹿にする行為で、自分のエゴでしかない。
背中を押す行為は相手に喜ばれ、押しつける行為は、相手に嫌われる。
その見極めはきちんとしなよ。
本当に親切な行為なのか、それとも自分のエゴなのかをきちんと線引きしなよ。
線引きできないなら、でしゃばらない方が良い。
何もしない方が良い。
線引きできるなら、相手の背中を押してあげて、相手の想いを育むキッカケを与えたら良い。
たとえ、周囲の人は、じれったく感じたとしても、急がないこと、急かさないこと。
だって、想いを育むには、その人に応じた時間が必要だから。
瞬間湯沸し機のようにすぐ想いが強まる人もいれば、じっくりと時間をかけて想いを強める人もいるんやから。
特に、じれったく感じる人は注意しなよ。
なんせ、想いを強めるのに時間がかかる人を見てイラッとしちゃうから。
早く、想いを強めることを強要してしまいがちだから。
自分が手を貸してどうにかしようとしてしまいがちだから。
想いを強めるのに時間がかかる人を見てイラッとする人が手を貸して良いことなんて滅多にない。
なんたって、お互いのペースが全然違うんやから。
ある人に合うペースであっても、それが別の人に合うとは限らない。
むしろ、合わない方が多い。
力を貸すこと自体が、おこがましい行為。
相手の想いを強めようとすること自体、余計なことをしようとしている証。
相手の想いを強めようとする必要はない。
なぜなら、必要ならば、ちゃんと想いは強まるから。
いつまでも想いが強まらないのは、それが必要ではないから。
そして、大事なのは、相手の想いが強まるまで、じっくりと待って陰ながら応援していること。
しゃしゃり出る必要もなければ、何かをする必要もない。
ただ、待ち、やれることをやれば良い。
何もできなければ、応援するだけで良い。
その方が、相手のためになるんやで。
何かをすることだけが、相手のためになるものではない。
時には、何もしないことが、相手のためになることもある。
だからこそ、人に応じて、接し方を変えなよ。
相手のペースを尊重しながら接しなよ。
相手のペースに合わせながら接することができる人こそ、心地良い人と思ってくれるものなんやから。
きっと、相手の想いを強めようとすることよりも、相手の想いが和らぐように接することが大事なのだろう。
変な緊張を取り除くことで、相手の想いを育むことにつながるのではないか。
結果的にそうなるのではないのか。
意図する時点で、相手を変えようとしているため、自分のエゴなんよね。
自分のエゴが出ることで、良い結果になることはほとんどない。
相手のことを本当に思うのなら、相手のペースを相手が抱く想いを尊重しなよ。
自分がどうにかしようとする必要はない。
どうにかしようとすることより、見守ることが大事なんやで。
その意識を持ちなよ。
すっごく重要なことだから。
案外、そんなものなんやで。
サコヤンの独り言
「相手の想いやペースを尊重することが結果的に相手のためになる」