世の中には、正しい考え方というものがある。


絶対的な法則が存在している。


ゆえに、正しい考え方や、絶対的な法則を受け入れることができている人は、やはり、頭一つ抜け出た存在となっている。


第一線で活躍している人ほど、意識しているのかしていないかは定かではないが、正しい考え方や、絶対的な法則を用いているもの。


だから、上手くいっているんよね。


ただ、こういったことは、すべての人が実践できているものではない。


もちろん、どんな人もできる力は持っているのだが、現時点ではできない人が多い。


なんたって、正しい考え方や絶対的な法則を受け入れるだけの準備が整っていないから。


過去、心の傷を負ったり、必要以上に我(が)が強かったりすると、受け入れることができないもの。


たとえ、正しい考え方や絶対的な法則と出会っても、見事にスルーしていく。


重要なものと気づかず、目の前を素通りしていく。


自分の器を超えたものって、受け入れることができないようになっている。


仮に、それが大事なものであったとしても…


それを大事だと思えるほどの器やレベルが必要。


なんせ、ダイヤモンドや金は、その価値を認識しているからこそ、重要なものとなるんやから。


価値を認識していなければ、単なるガラクタになっちゃう。


価値を認識する力と、価値を受け入れる力が必要となる。


こういった力をつければつけるほど、正しい考え方や絶対的な法則を受け入れることができるようになる。


すると、多くの人が、ガラクタやゴミのようにとらえているものから宝を見つけることができたりもする。


中には、大当たりを当てる人だっているもの。


皆が皆、正しい考え方や絶対的な法則を受け入れることができたら、どれ程素晴らしい社会になるだろうか。


考えただけでも、ワクワクする。


だからこそ、今、正しい考え方や絶対的な法則を受け入れることができている人は、それを人に伝え、広める役割を担っているのだろう。


おそらく、多くの人が、何らかの形で伝えようとしているし、広めようとしているだろう。


だって、人には、教えたい、という欲があるから。


だが、現実的には、正しい考え方や絶対的な法則というのは、中々、広まらないもの。


なんたって、広める人の多くは、これから受け入れようとしている人の心境や立場を理解していない人が多いから。


今、受け入れることができている人は、それが当たり前で、何の違和感もなく実践している。


それを伝えたからといって、違和感を抱いている人が聞いても、すんなり受け入れるわけではない。


違和感というバリアーのようなものが、妨げとなり、ちゃんと届かない。


言葉として言うことはできても、相手の胸に響くまでは至らない。


正しい考え方や絶対的な法則というのは、言葉にすることは簡単なのかもしれない。


ただ、重要なのは、言葉にすることではなく、相手の胸に届かせること。


そのため、まずすることは、相手の違和感を和らげ、取り除くこと。


そこに力を注ぎ、その後に言葉を伝えること。


じゃなきゃ、相手の胸に響かない。


でも、伝える側で、相手の違和感を和らげる術を知らない人は多い。


なぜなら、伝える側の多くは、初めから力がある人が多く、違和感を抱くことなく受け入れることができたから。


何で困り、何でつまずくのか、相手の気持ちが分からない。


想像はできても、相手の気持ちを知ることができない。


どうしようと、想像の範囲で相手と接してしまう。


だから、自分の想いが中々伝わらないんよね。


おそらく、こういうのが、一流の選手は一流の監督になれるとは限らない、と言われる所以なのだろう。


最初から力がある人は、力がない人の気持ちが分かりにくい。


よっぽど、相手のことを考えようとしなければ、中々、理解できるものではない。


ゆえに、力がある人は、ある程度力がある人にしか、教えることができなかったりする。


これはもちろん大事なこと。


でも、もっと大事なのは、今力が弱い人に、正しい考え方や絶対的な法則を教え、広めること。


だって、力が弱い人が、力を得るようになることが大きな変化につながるから。


なんせ、今力が弱い人が、今の力が3だとして、7に伸びると、差は4となるから。


しかも、これまで力が弱い人が大きく伸びると、周囲に与える影響は尋常じゃない。


特に、今まで、ある程度力がある人として認められていた人に大きな影響を与える。


一方、ある程度力がある人が、今の力が5だとしても、7に伸びても、差は2でしかない。


これでは、周囲に与える影響は小さいもの。


なんたって、力ある人は、それくらいやって当たり前だろう、と思われているから。


意外性に乏しい。


そのため、力がないと思われていた人が、急激に伸びることの方が、周囲に与える影響は絶大。


そりゃそうじゃよね。


今まで下だと思っていた人が、自分を抜くと、やはり悔しさを抱くから。


この悔しさが活力となり、これまで以上に動くようになる。


仮に、組織に所属しているのなら、組織全体が活性化する。


よって、力が弱いと思われている人を伸ばすことはすごく大事なこと。


けど、力が弱い人の気持ちが分からず、教えることができない人が多いのも事実。


だから、簡単に教えることができる、既に力がある人に教える傾向が強い。


ゆえに、今大事なのは、下の立場の人の気持ちが分かるリーダーなのであろう。


今までと違う流れを生み出すには、下の立場にいる人の力が必要となる。


今、自分の力を抑えて過ごしている人の力を解放することが必要となる。


これができる人ほど、大きなうねりを生み出すことができるのではないか。


なんだか、そんな気がする。


今は、力があることと共に、力が弱い人の立場や気持ちが分かる人が大事になるのだろう。


そういう人ほど、重宝される時代になりつつある。


力だけでは、人はついてこない。


自分のことをしっかり考えてくれている、という人に、人はついていくもの。


押しつけがましくなく、傾聴できる人が、大事なんよね。


とにかく、力をつけることは、もちろんのこと、人の立場や気持ちを察することができる人でありなよ。


これからは、すごく大事になるものだから。


案外、そんなものなんやで。



サコヤンの独り言

「力が弱い人の立場や気持ちを理解できるようになろう」