国語 82
社会 77
算数 68
理科 96
結果 : とてもよくできました。
・・・・
無情に提示された点数に、少女の心には色々な色が溢れていた。
底辺ではない安心感、このままではいけないといった焦燥、
平均よりも点数は高いが自分の才とはこんなものだったのか、と自己嫌悪する。
しかし “今ではもう何もできない、手の施しようがない” その考えに至った。
それから私はただボーっと無機質な文字を見ていた。
周囲が目まぐるしく廻る。ぐるぐると脳味噌は思考を続ける。
何処で間違えたんだろうか、友達にはなんといって誤魔化そうか、あの人はどれくらいの点数だった?
先生は結果を知っている?中学校にもこれは伝わる?この焦燥感をどうにかしたい。苦しい。
もういっそ泣いてしまいたい。なんで、何処で間違えたのだろう、解らない、思い出せない。
「・・・・なぁ、どうだった?」
その声にはっとして意識が浮かぶ。
あぁ、私に言ったわけではないのかとすぐにわかったが、なんとなく点数表をしまいこむ。
早く席に戻らないと、いつも通りに、私は、天才って設定だから、完璧に、がんばって、私。
いつも通り良い点数だったと見せかけるために、少し口元を綻ばせながらクラスメイトの秀才に話しかけた。
「僕、今回すんごい点数だったよ~!まじやばいw」
「あぁ?おまえどうせ『全部百点~!』とかなんだろ(笑)」
「ふふふ~どうかな~(ニヤニヤ)」
「うっわこの反応!絶対俺の予想当たってるって!」
「いや、大外れで笑ってるのかもよ?」
「え、ガチで?」
「うっそ~w満点に決まってるじゃないw」
適当に繕ってニヒルに笑う。そしてゆったりとした歩調で席に戻る。
よし、これでいつも通りのはずだ。誤魔化せたか?
普段から積み重ねてきた設定のおかげでばれずに済みそうだ。
もしもこれがばれてしまったら、などは考えたくもない。
それは私を取り巻く世界が全て消失してしまうほど恐ろしい事だった。
席に戻った私は、表面だけの実はあまり仲の良くない隣の席の女の子とおしゃべりを始めた。
「ねぇどうだった?点数。桜のことだからきっと満点だよね~?w」
「へっへっへ~!僕だもん、当然さ!もう120点取っちゃう勢いだよーwでもさー、そういう詩織も頭良いでしょ~?何点だったの~?」
「えぇ~!めっちゃ点数悪いよぉ~?天才様に教えるなんて恥ずかしーw」
「ふーん・・・?とか言いつつ詩織も満点でした~!みたいなオチなんでしょ?はいはいわかってますよー」
「そんなことないってば!だって国語90点だよ~?あり得ないって!」
90点、私より高い。それで悪い点数なんだ。死ねばいいのに。そしたら私の順位上がるし。
死にたい。こんなの親に見せたくない。いやだなぁ、帰りたくない。でも学校も嫌いだ・・・。
私がそんなことを考えているとはつゆ知らず自慢する彼女。これだから女は嫌いなんだ。
話しているのがまるで別人のように思えるくらい冷たい思考。
「えぇ~?十分高得点だと思うんだけど~??」
「あはは~w満点の人に言われると御世辞にしか聞こえないよ~?」
めんどくさい、なんで私はあいつのご機嫌取りをしているんだろうか。
そもそも私は満点じゃないし。まぁ私がそういう嘘をついているんだけども。
無駄に回転が速い脳。なのにテストで良い点数をとれないのか・・・。
そんな自分に腹が立つ。しかし表情に出ないよう気持ちを鎮める。
自分にイライラしつつ、辺りを見渡す。
秀才の彼は将来有望そうなバレー部の女の子とニコニコして話している。
きっとあれが世に言う “勝ち組” なんだろう。
くしゃり、と紙がなって自分が無意識のうちに握りしめていたんだと気づく。
バレー部の女の子はリーダーシップが強く、文武両道。おまけに背が高くて美人だ。
それに比べて私は背が低いくせに重たくて。せめてひとつくらい良い所が欲しくて
毎日頑張って手入れしている髪は誰にも気づかれずに伸びていく。
誰かに気づいてほしくてハーフアップにして学校に行っていわれた言葉は「似合ってないよ」。
あの子は体育の時間に少し髪をしばっただけで周りから可愛いと持て囃され、果てには先生までもが彼女を褒める。
世界に平等なんてないのだと幼いながらに悟った。
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もう続きがおもいつかなくて放置してたやつです。
御目汚し失礼しました。