ここしばらくしびれる右腕をかばいながら
初夏の日差しをベンチで浴びている。
年老いたと思うのは
今までしなかった病気をしたり
すぐに疲れることだ。
昨日、細い声で聞き取ることも
難しく感じた年老いた女性の声を思い出す。
考えることもなく
ただただ感情だけで生きてきたような女性。
40手前の私ですら変わることを望まなくなっているのに
60も半ばになれば考え方を変えるのは容易ではないだろう。
太り過ぎた近所のネコがのっしのっしと歩いて
段差につまづいた。
そのネコは私と目を合わせ逃げることもなかったので
抱き上げた。
いつかこのネコもやせ細るときが来るだろう。
その姿に何を見るか。
過去を憂うか、今を生きるか
それでも未来を想うか。
しびれた右腕が痛み出したので
ネコを地面に置いた。
さっきと変わらずのっしのっしと歩き出す。
そういえば年老いた女性は
昔やたらせっかちだったなあと何故だか急に
昔を思い出した。