私達は、"心のケアを呼吸から”というプロジェクトのテーマで、被災地の方々に呼吸法とそれに合わせたストレッチをお伝えしてきました。




被災地には盛岡市内、宮古、仙台市内と何箇所か訪れたことがありますが、気仙沼は初めてでした。
思った以上に復興が進んでいなくて、いまだ仮設住宅に暮らす方が8割、被害にあった街もそのままの姿が残っている場所も沢山ありました。



今回、“かたりべタクシー”というのを利用し、何十年も気仙沼で暮らしているドライバーの方に、震災当時の街のリアルな話を聞かせて頂く機会がありました。
畳1枚にしがみついて助かった人や、けやきの木1本あるだけで8人は助かるということや、生死を分けた選択をした親子のお話…
話を聞くだけでも身震いするような現実がそこにはあり、私自身も色々な想いが募りました。
街に残る人々の願いと政府の計画している震災対策が大きく違っていたり、記念碑にもなっている漁船の共徳丸への想いも様々のようで、この街には本当に色々な人々の想いが交錯しているようでした。
回りきれなかった地域もありましたが、一通り当時の話をして下さったドライバーの方に、
本土の人達にこれだけは伝えたい、と思うことは何ですか?
という問いに対して、
『心のどこかにいつも危機感を持って過ごして欲しい。』
という答えが返ってきました。
いつ自分の身に危険が迫りくるか分からない、ということを忘れないこと。そして、落ち着いて行動・判断すること。その為には、しっかり備えておくこと。
恵まれた東京で過ごしていると、いつの間にか危機感も忘れ、備えもせずに日々過ごしてしまうけれど、こういう環境を目の当たりにすることで、私自身、身の引き締まる思いでした。
まだまだ完全復興にはほど遠いですが、支援活動はこれからも続きます。
いまの自分の恵まれた環境への感謝の気持ちと、平穏な今がいつでも激変し得るという危機感を忘れずに日々過ごしていきたい、と改めて感じました。
東京でも支援活動で出来ることはしていきたいと思っていますが、
それと同時に、東北の震災での教訓や経験を活かし備えることが、被災者からのメッセージを受け止めることになり、私達が改めてやるべきこと・いま出来ることなんだと思います!!

